薬害教育の特別授業@柏崎第二中学校*加筆あり


2年ぶり2回目

11月11日(水)、柏崎市立第二中学校で、2年生(70人)向けに、薬害教育の特別授業をしてきました。柏崎第二中学校では、2年前にも薬害教育の授業をさせてもらっており、今回が2回目です。

「人権学習デー」

この日は、学校が独自に「人権学習デー」と位置づけていて、生徒さん達は、丸1日、人権に関わる様々なテーマの講演や授業を受けることになっているということでした。私たちの授業のほかには、いじめ問題、同和問題、就職差別、薬害エイズに関する授業なども行われるとのことで、充実したラインナップに驚きました。

「人権学習デー」の一環なので、被害の中でも「差別や偏見」という側面に重点を置いた授業にして欲しいとの要望を事前にいただいていました。今回は、たっぷり2コマ分(90分)時間をいただけるということもあったので、「二度と薬害を繰り返さない」ということと、「差別をなくす」ということを2本の柱とし、「そのために私たちにできることは何か」を考える授業にしたいと考えました。

当日の授業の流れは、以下の通り。

最初に、私から副作用と薬害の違い、薬害肝炎事件の原因となった薬、それからC型肝炎の特徴等についてお話しました。

生徒さん達は、事前学習として、厚生労働省が作った薬害に関するビデオ教材を全員で視聴してくれていました。基本的な事柄が頭に入っている分、明確な問題意識を持って授業に臨んでくれているように感じました。

被害者の方にインタビュー

授業のメインは、被害者の方のお話です。今回は、私がインタビュアーとなっていろいろ質問し、それに答える形でお話をしていただきました。

被害者の方は、長女を出産するときに胎盤早期剥離となり、緊急帝王切開となったこと。その際に輸血とともに血液製剤の投与を受けたこと。それから20年以上経ってからC型肝炎と診断されたこと。激しい副作用とたたかいながら、インターフェロン治療を受けたものの、ウイルスが再燃してしまったこと。三度にわたるインターフェロン治療の結果、ようやくウイルスが消えたことなどを、時折涙ぐみながらお話されました。生徒さん達も、先生方も、真剣な表情で聞き入っていました。

そして最後に、「みなさんには、薬害の被害者にも、加害者にもなってもらいたくありません。そのために私にできることを、引き続きしていきたいと思っています。」と決意を語りました。

薬害を学ぶのに最適の時期

その後、私から、薬害の歴史を振り返りつつ、多くの薬害事件に共通する問題がとこにあるのか、どうして薬害が繰り返されてきたのかといった点についてお話しました。また、薬をとりまく最近の状況について説明し、薬の消費者である私たちがこれまで以上に薬に対する理解を深める必要性が高まっていることを伝えました。

新型コロナウイルス感染が広がっていることで、感染症に対する差別・偏見という問題が、以前よりも実感を伴う形で受け止められているように感じました。また、薬との関わり方に関しても、「新型コロナワクチン」や治療薬の開発に関する報道を目にする機会が多いため、身近にある具体的な問題として考えやすくなっていると思います。その意味では、いまは薬害について学ぶのに適したタイミングであると言えそうですね。

報道

柏崎日報の記者さんが取材に来てくれました。2年前の授業のことも覚えていて下さり、うれしい再会となりました。柏崎は市長選挙の真っただ中で、お忙しい中、もろもろ調整をつけて来てくださったのだと思います。ありがとうございます!

*11月28日付加筆
柏崎日報の記者さんが11月27日付に掲載された記事を送ってくださいました!感謝!!

オファーをお待ちしています

薬害肝炎原告団・弁護団では、薬害事件の悲劇を繰り返さないために、この薬害教育に取り組んでいます。

これまでに授業を実施した学校の生徒さんや先生方からは、「薬害は思っていたより身近な問題なのだと気づいた」、「薬や薬害についてもっと学びたい」、「被害体験を直接聞けたのはよかった。高等部の生徒にも聞かせたい」などの感想が数多く寄せられています。

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