薬害教育の特別授業@春日中学校*追記あり


5年連続5回目

2月18日(火)、春日中学校の3年生(182人)を対象に、薬害についての特別授業をしてきました。

春日中学校は、当事務所から徒歩圏内にある「最寄り」の中学校であり、私の母校でもあります。2015年に最初に授業をさせていただいて以降、毎年授業の機会をいただいており、今回が5回目ということになります。

被害者の方と一緒に

薬害肝炎東京原告団・弁護団では、中学3年生向けの副教材『薬害を学ぼう!』(厚生労働省作成)を活用してもらうために、2013年度から被害者である原告と弁護士が一緒に学校にお邪魔して出張授業をしています。

授業の冒頭に、先生から、「君たちは卒業を間近に控えているが、この学校を卒業する前に、社会の現実や人権の問題についてよく知っておいて欲しいと思います。特に、被害者の方のお話を直接聞くことができるというのは本当に貴重な機会なので、しっかり聞いてください。」とのお話がありました。

授業全体の流れは、↓このような形です。

被害者の方のお話

今回は、千葉在住の網中早知子さんがお話をしてくれました。網中さんは、第2子出産の際に大量出血があり、フィブリノゲン製剤を投与されました。

これが原因でC型肝炎にり患しましたが、そのことを知ったのは、それから20年以上経過してからのことでした。出産をした産婦人科の医師から直接電話があったのです。網中さんはその電話ではじめて、フィブリノゲン製剤を投与されたこと、フィブリノゲン製剤にはC型肝炎の感染リスクがあることを知りました。この医師は、その後、裁判をする際にも快く資料を提供してくれ、「悪かったね。悪かったね。」と声をかけてくれたとのことです。

その後、強烈な吐き気等の副作用とたたかいながら、インターフェロン治療を受けて、ウイルスは検出されなくなりました。しかし、肝がんになるリスクが残っているため、いまでも半年に1度通院して検査を受けています。

網中さんは、肝炎の治療を終えた1年後、入院して外科手術を受けました。この際、絶対に湯船には入らないように言われたり、他の患者とは別のトイレを使用するように言われたりしました。C型肝炎は日常生活で感染することはないうえ、すでにウイルスは検出されない状態になっていたので、明らかに不必要な「感染予防措置」でした。正しい知識があるはずの医療機関におけるこうした差別的取り扱いは、いまだに残っています。

網中さんは最後に、「みなさんの身近にある薬には、いい面も悪い面もあることを知ってほしいと思います。今日の話をきっかけに、薬を使う前に一歩立ち止まって考えることをしてもらえればうれしいです。」と訴えました。

生徒のみなさんは真剣な表情で聞き入っていました。

感想

春日中学校の先生が、生徒さん達の感想をきれいにまとめてくださいました。本当にご多忙ななか時間を割いていただけたこと、心に沁みました。ありがとうございます。

報道

『上越タイムス』の2月20日付朝刊に記事が掲載されました。ありがとうございます!

『上越よみうり』の2月23日付朝刊に記事が掲載されました。感謝!

オファーをお待ちしております

薬害肝炎原告団・弁護団では、薬害事件の悲劇を繰り返さないために、この薬害教育に取り組んでいます。

20160908131855-0001 20160908131910-0001

これまでに授業を実施した学校の生徒さんや先生方からは、「薬害は思っていたより身近な問題なのだと気づいた」、「薬や薬害についてもっと学びたい」、「被害体験を直接聞けたのはよかった。高等部の生徒にも聞かせたい」などの感想が数多く寄せられています。

全校生向け、学年単位、クラス単位など、どのような形式でも対応可能です。
興味をお持ちの学校関係者がいらっしゃいましたら、お気軽にお問い合わせください。

【新潟県内の方】
→当事務所宛 TEL 025-522-5781 FAX 025-522-5782

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TEL 03-6384-1823 FAX 03-6384-1824