つれづれ語り(ありがとうございました)


『上越よみうり』に連載中のコラム、「田中弁護士のつれづれ語り」。

2022年1月12日付に掲載された第125回は、「ありがとうございました」です。
足かけ5年にわたった連載は次回で終了。篤子弁護士担当分は、今回が最終回です。長らくご愛読下さりありがとうございました。コラムは終わりになりますが、ブログは続きます。引き続きよろしくお願いします!

ありがとうございました

1 子育てママに向けて 

2017年1月から連載を開始した当コラムですが、今月で終わることとなりました。残すは私と夫とそれぞれ1回ずつ。私の担当分としては、今回が最終回となります。振り替えると、5年前、初回のコラムは育休復帰を控えた女性たちに向けた短時間勤務や育児時間の取得に関する情報提供でした。当時私自身も育休復帰したばかりで、3人の子どもは1歳、3歳、7歳とまだまだ手がかかり、仕事と育児の両立に必死だったことを覚えています。同じような立場の女性たちに少しでも役に立つ情報を届けたいという思いで毎回コラムの内容を考えていたように思います。現在下の娘は6歳になり、4月からは小学生です。個人的には少し子育てにゆとりが出てきたように感じます。

2 より多くの助けを求める方に向けて

しかし社会全体を見ると、働きながら子育てをする女性たちの置かれた環境は相変わらず厳しいままです。むしろコロナ禍で状況は悪化し、経済的にギリギリの状況の中で苦しい生活を強いられている母子家庭の存在が目立つようになりました。女性だけでなく、男性も長時間労働や不安定雇用が一向に改善されず、ヤングケアラーなど子どもたちにケア労働の負担が押しつけられている実態も明らかになってきました。養育費、労働基本権、生活保護など、人が安心して生きていける社会であるために欠かせない仕組みが十分に機能していない現状を少しでも変えられるように、今後も事務所ブログなどを通じて情報発信を続けていきたいと思います。

3 コラムから空き家問題に

2018年4月のコラム(第32回)では「増える空き家とこれからのまちづくり」と題して初めて空き家問題を取り上げました。当時、相続放棄に関する仕事が徐々に増えており、「相続放棄される家がこれ以上増えたら売れなくなるのではないか」という不安を感じはじめていました。市内を見回すと「売地」「売物件」の看板が掲げられたまま長期間売れずに残っている土地や建物が少なくないことにも気づきます。国や自治体の実態や対策はどうなっているのだろうと気になり調べて上記コラムにまとめたのが、その後現在まで私が空き家問題に深く関わることになったきっかけでした。それから4年近くが経ち、全国的にも空き家問題への関心が高まっています。新市長のもとで、上越市の空き家対策が今後どうなっていくのか関心をもって見ている市民の方も増えています。こちらも、今後は事務所ブログなどを通じて情報提供を続けていきたいと思います。

4 感謝を込めて

さて、最後になりました。長いようであっという間だった5年間の連載に最後までお付き合いいただいた読者のみなさま、これまで私のコラムをお読みいただきありがとうございました。6人しかいない市内在住の女性弁護士として、皆さまとの心の距離が少しでも近づき、身近な問題を弁護士に相談してみようかなと思えるきっかけにこのコラムがなっていれば、これ以上の幸せはありません。そのような場として5年間このコラム欄を提供してくださった上越よみうりの編集部の皆さまにも心からの感謝を申し上げて、私の最後のコラムとさせていただきます。5年間本当にありがとうございました。