消費者教育の特別授業@上越総合技術高校


2年連続で

2月25日(月)、上越総合技術高校の1年生向けに、消費者教育の特別授業をしてきました。

上越総合技術高校では、昨年度、直接ご依頼いただいて主権者教育の授業をさせていただいています(前編後編)。今回は、学校から県弁護士会の「学校へ行こう委員会」にオファーがあり、地元の高校だったので私が授業の担当を申し出たという経過です。授業までの経緯も授業内容も異なりますが、2年連続でお邪魔することになりました。

学校へ行こう委員会の弁護士が作ってくれていたパワーポイントに、自分なりのアレンジを加えて授業に臨みました。

クイズとグループワークで

前半の授業では、消費者被害について取り上げました。

出来るだけ興味を持ってもらえるよにと、ワンクリック詐欺、デート商法、ネット通販トラブルなどの具体的な事例をもとにクイズを出して、挙手で回答してもらいました。また、時折個別にマイクを向けるなどして、自然に発言したり参加したり出来るように工夫しました。自分の体験を積極的に話してくれる生徒もいて、盛り上がりました。

そして、マルチ商法の事例を紹介したうえで、昔お世話になった先輩から誘われたらどう対応するかについて、グループで話し合いをしてもらいました。

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授業の途中では、頭が少し下がってしまう生徒も何人かいましたが、グループワークには全員が積極的に参加してくれました。

一人ひとりの意識や行動を変えることで

休憩を挟んで後半の授業では、「消費者市民社会」について学びました。

「消費者市民社会」というのは、「私たち消費者が、自分のことだけではなく、周りの人々や社会全体、さらには地球環境まで視野に入れて消費のあり方を考え、社会の発展や改善に積極的に参加していく社会」のことを言います。北欧諸国を中心に議論・提唱され、1980年代以降、消費者教育の重要な要素として位置づけられています。

授業では、「SDGs(エスディージーズ)」について説明しつつ、広告をいくつか紹介しながら、消費のあり方について考えてもらいました。

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また、児童労働の実態について簡単に説明したうえで、特定非営利活動法人ACEが作成した『そのこ』という動画(詩・谷川俊太郎 絵・塚本やすし 歌・やもり)を見てもらいました。

私たちの暮らしと、遠く離れた国で働かされている「そのこ」は、企業を介してつながっている。私たちの何気ない選択が「そのこ」の児童労働を下支えしているのだとすれば、私たち一人ひとりが意識や行動を改めることで、「そのこ」の生活、ひいては世界を変えていくことができるのではないかという蛇足のような訴えをして、授業を終えました。

『そのこ』は、パワーポイントを作った弁護士に教えてもらって、初めて見たのですが、深く考えさせられる素晴らしい動画です。2分程度と短いので、ぜひ、みなさんにも、ご覧いただきたいと思います。

今後も

消費者教育の授業をしたのは今回が初めてでしたが、教材やパワーポイントを用意してもらっていたこともあり、それほど負担を感じずに準備することができました。

準備の過程で学べたことも多いですし、消費者教育は教材が充実していて、ロールプレイ、家計ゲーム、すごろくなど、楽しそうな実践例もたくさんあるので、いろいろ試してみたいと感じました。

成年年齢引き下げが決まっており、消費者教育は今後これまで以上に必要性が高まる分野だと思います。興味をお持ちの学校関係者がいらっしゃいましたら、新潟県弁護士会の「学校へ行こう委員会」にお気軽にお申し込み下さい。