豪雪災害の状況について(新潟県上越市)*最終追記1月20日


追記の仕方を項目別から時系列方式に改めました。

はじめに

新潟県上越市では、観測史上最多の記録的な大雪により、多くの人的・物的被害が出ています(上越市 第2回大雪災害対策本部会議資料)。新潟県は災害救助法を適用したほか、陸上自衛隊に災害派遣要請を行いました。市立の小中学校は、1月15日まで休校となっています(その後、休校期間が1月19日まで延長となりました)。

市民生活にも多大な影響が出ていますが、あまり報道で取り上げられていないこともあり、県内でも窮状が十分に知られていないように感じます。市内でも地域によってかなり状況にばらつきがあるようですが、私が1月12日現在で把握している限りの情報を以下にまとめます。

1 物流が停滞し灯油・ガソリンの販売制限

市内のガソリンスタンドでは、「タンクローリーなど大型の車での運搬が遅れ」ているため、灯油やガソリンの販売量が制限されていると報道されています(「大雪でガソリン販売量制限し営業」NHKニュース2021.1.12)。暖房を灯油に頼っている世帯にとっては、死活問題と言えます。

2 生活道路の除雪は目処が立たない状態

家の前の道路が除雪されていないため、「車が出せない」状態の家も数多く残されています。電車やバスなどの公共交通機関もストップしているので、食料を含む生活必需品の買い出しは、徒歩で出かけるしかありません。歩道は雪で埋まっているため車道を歩くことになりますが、車道の多くは除雪が行き届いておらず、車同士が行き違うことができない「実質一車線」状態のため、非常に危険です。そうした危険を冒して買い出しに行っても、徒歩圏内にあるスーパーやコンビニの多くは品薄の状態が続いているため、必要な物が手に入りにくい状況です。

ただ、上越市の発表によれば、主要道路・幹線道路の除雪を優先的に行う方針であるため、「道路機能が通常どおり回復するまで、具体的にどの程度かかるか、見通しを立てることができず、相当な日数が予想されます。」とのことです。

3 相次ぐ家屋の倒壊

豪雪のため雪下ろしが追いつかず、家屋の倒壊が相次いで起こっています。

今後の降雨・降雪により、同様の被害がさらに広がることも予想されます。
人的・物的被害を防ぐためにも、速やかな調査・対応が必要です。倒壊・破損のおそれがある家屋に居住する方が避難する場所を確保する必要もあります。

おわりに~国、県、周辺自治体のサポートを

物流の回復、生活道路の機能回復、家屋の倒壊防止は、どれも命に関わる問題で後回しにできません。ただ、除雪業者さんも、市の職員さんも、市民も、限界を超えるフル回転をして、現在の状況です。市内のマンパワーだけでは、とても手が回りません。

今後上越市からいろいろな形で要請がなされると思いますが、まずは状況を知っていただきたいと思います。

雪下ろしボランティア募集

1月23日以降に行われることになった一斉屋根雪下ろしについて、ボランティアの募集がはじまっています。チラシと登録票は、こちらからPDFファイルをダウンロードできます。ボランティア登録は、メールフォームから行うことも可能です。

義援金等の受付

上越市、糸魚川市、妙高市で義援金等の受付がはじまりました。リンク先の記載をご確認のうえ、ご協力いただければ幸いです。

*1月13日付追記

物流

私が今日行ったガソリンスタンドでは、販売量の制限はされていませんでした。系列や店舗によっても違うかも知れないので、従前の記載を維持しつつ追記します。

除雪

車道を歩く人が多いこと、コンビニやスーパーが品薄な状態であること、生活道路の除雪が進まないことについては、私が見る限り、今日もそれほど状況が変わっていません。報道を見ても同様の印象です。
本日行われた市長の記者会見でも、報道を見る限り、今後の除雪の見通しについてはあまり明確に語られなかったようです。市のホームページに詳細がアップされるのを待ちたいと思います。

建物被害

1月11日9時時点で全壊6、大規模半壊0、半壊0、一部損壊63だったものが、1月13日には、全壊31、大規模半壊2、半壊3、一部損壊121へと激増しています(上越市「雪に起因する事故の発生状況」)。今後も増えるのは確実ですので、危機的な状況にふさわしい迅速な対応が求められています。

また、市は、倒壊の危険がある空き家などを特定空家と指定しており、情報を把握しているはずです。人身被害を防ぐためにも、速やかな現状確認と周辺住民への情報提供・注意喚起をしていただきたいと思います。

*1月14日付追記

除雪状況等

LINEのオープンチャットで、上越市の雪や道路状況に関する情報交換がなされています。LINEユーザーならだれでも登録可能です。よろしければ参考にしてみてください。

共通テストの受験生向けに専用バスが運行されるようです。上越タイムスが電子版を無料解放してくれているので、ID:times  PW:2021でログインすれば記事を全文読むことができます。「16、17日に共通テスト 上越市2会場、専用バス運行 頸城自動車」(『上越タイムス』2021.1.14)

*1月15日付追記

物流

幹線道路の除排雪が一区切りついたため物流は回復し、「品薄状態は解消されつつある」と報道されています。

除雪状況・生活関連情報

幹線道路の排雪が終わり、生活道路の除雪が進められているようです。それでもまだ自宅から車を出せないという方がかなりいらっしゃいます。今日も担当の調停委員が裁判所まで来られないため別の調停委員が臨時で担当を交代するケースが複数ありました。

上越妙高タウン情報が、公共交通機関、ゴミ収集、学校・保育園・病後児保育などに関する情報をとりまとめてくれています。情報はどんどん変わっていますので、更新日時のチェックをお忘れなく。

建物被害

・1月14日から、「建物」と「農業用施設」を別々にカウントする方式に変更したとのことです。「建物」については、全壊19、大規模半壊・半壊4、一部損壊111。「農業用施設」については、倒壊・破損を合わせて118となっています。

・NHKニュースでは、生活道路の除雪が進まない影響で、高齢者や障害者など要援護世帯への除雪支援が届きにくくなっている状況が報じられました。災害は「社会的弱者」の方により重くのしかかってしまいます。こうした方々へのサポートが進むようにするためにも声を上げることが大切だと思います。

*1月20日付追記

生活状況

生活道路(車道)の除雪が一区切りつき、一部を除いてごみの回収や小中学校の授業も再開しました。ただ、歩道の除雪が進んでいないため子ども達が「通常よりも狭い車道」を歩いて登下校しなければならない状態が続いています。また、一斉雪下ろしの人手不足やそれにともなう通行止めなど、平常時とは異なる部分も残されています。

人的被害、建物被害、農業被害

「人的被害」では、死亡2人、重傷17人、軽傷27人の被害が出ています(上越市「雪に起因する事故の発生状況」)。雪下ろしを含む除雪作業中の事故が多発している背景には、高齢化・過疎化の影響があるものと思われます。

「建物被害」は、全壊39(+20)、大規模半壊・半壊10(+6)、一部損壊180(+69)に増加しています(カッコ内は15日からの増加数)。現時点で把握されていない被害も数多くあるものと思われますので、この数字は今後さらに増える可能性があります。

上越市のウェブサイト罹災証明書の交付について説明したページが加わりました。被害に遭われた方はご確認ください。また、「建物被害」に遭われた方が利用可能な制度について別ブログに記載しましたのであわせてご確認ください。

「農業用施設」の損壊等も、170棟(+52)へと増えています(カッコ内は15日からの増加数)。こちらについても現時点て把握されていない被害がある可能性があります。