主権者教育の特別授業@新潟高校


1 学校へ行こう委員会の取り組み

7月14日(水)、新潟高校で主権者教育の特別授業をしてきました。

新潟高校では4年前5年前に憲法の特別授業をしたことがありましたが、今回もそのときと同様に、新潟高校から県弁護士会の「学校へ行こう委員会」にオファーをいただきました。

対象は文系クラスの2年生で、「消費者教育」「キャリア教育」「ワークルール」「主権者教育」という4つのテーマから(講師はすべて弁護士)、興味があるものを選んで参加する形式です。

2 授業の内容

主権者教育の授業は、今回が10回目。内容はこれまでの授業でお話ししたことをミックスする形で準備することにしました。全体の流れは、こんな感じです。

ところどころクイズを挟んだり、問いかけをしながら授業を進めました。法律と憲法のところでは、「お互いの自由を尊重し合いながら、みんなが安心して暮らせるようにする」ために、民主主義のブレーキと、人権保障(立憲主義)のブレーキの2つが用意されていることを、視点を変えながら繰り返しお話しました。

「おわりに」のところでは、おなじみの「終末時計」の話から、「私たちを取り巻く世界の状況」を簡単に確認。「終末」を迎えないようにするためにも、みんなで知恵やアイデアを出し合う必要がある。そのために求められるのは対話力。対話の意義や方法について説明して授業を終えました。

設備の関係でパワーポイントの「発表者ツール」が使えず、事前に作成していたメモが見られなかったのですが、その分双方向でのやりとりが活発に出来たのでかえってよかったかも知れません。

3 生徒さんたちの感想

生徒さん達は、こちらの質問について一生懸命考え、いろいろなリアクションをしてくれました。みなさん積極的に授業に参加してくれて、とってもやりやすかったです。こちらが重要だと考えていたポイントにさしかかると全員が一斉にメモを取るなど、「以心伝心」感もすごかったです。

授業後にその場で書いてくれた感想のいくつかをご紹介します。

わかりやすかった、理解が深まった

  • とてもわかりやすく、これからの時代に主権者として生きていくための自覚も身につきました。また講演を聞きたいです!ありがとうございました!!
  • 貴重なお話、大変ありがとうございました。これまで考えたことのない内容について、深く知ることができてよかったです。
  • とてもわかりやすく、内容を理解することができた。自分も法律について深く学んでみたくなった。
  • 国民に主権があることの意味を初めて深く理解できた。また、法律についても関心を持った。またこのような機会があれば、質問なども交えながらより詳しくお話をお聞きしたいと感じた。

法律と憲法について

  • 1つの大切なポイントについて様々な観点から見られたのが大変面白いと感じました。ありがとうございました。
  • 「同じことを違う視点から見て話しているんですが」とおっしゃっていたのが印象的だった。同じことでも視点を変えるだけで全く違うものに見えたし、考え方も全く違うし、多様な視点を持つことはやはり大切なのだと感じた。
  • 権利や自由の大切さや、それらを保障するために制度上の工夫がこらされていることがよくわかりました。
  • 法律がなんのためにあるのかということが明確にわかった。個人が尊重される社会になるよう行動したいと思った。ありがとうございました!

国の制度について

  • これまで学校の授業で習ってきた社会の仕組みについて、新しい視点を持つことができた。とても面白かったし、有意義だった。
  • 新しい視点から国家権力相互の関係を見直したことで、以前より深い理解が得られたように思います。
  • 「三権分立」について、教科書の図などを見てもピンとこなかったのですが、今回見せてもらった図はすごくよく理解できました。
  • 特に印象的だったのは、行政府の権力の肥大化が現代国家の課題だという点だ。これまでは立法、行政、司法がそれぞれの権力の濫用を防ぐための三権分立の仕組みだと理解していたが、1つの機関が肥大化した場合はそれに合わせた調整が必要なのだとわかった。
  • 「行政権の肥大化」という問題を解決するためにどうしたらよいのか、どうするべきなのかがすごく気になった。果たして三権分立は本当になされているのか。もう一度見つめなおす機会になった。

対話について

  • 最後の「対話力」のお話がとても印象に残りました。私は現在、価値観の違いについて興味があり勉強しているので、それと関連付けて勉強することができ、とてもよかったです。
  • 最後の対話についてのお話が面白かったです。もっと聞きたかったです!
  • 現在、世界には気候危機、新型コロナウイルス、核兵器の拡散などの問題があるが、これらを解決するうえで、最後にお話された対話の方法が役に立つのではないかと思った。異なる意見を持つ人と対話して視野を広げ、新しい見方や考え方にたどりつくことで、どんなに大きな問題でも解決に近づいていけるのではないかと思った。
  • 意見が異なるということは、そもそもの考え方や価値観が違うのだから仕方ないと思っていたが、必ずどこかに共通点はあって、そこから分離しているだけと言う話を聞いて驚いた。意見が異なる人ほど自分に欠かせない人だと考えていきたい。