主権者教育の特別授業@上越高校2020


昨年度に続いて

2月5日(水)、上越高校の2年生向けに主権者教育の特別授業をしてきました。

上越高校では、昨年度も主権者教育の授業をさせていただいているので、2年続けての実施ということになります。今回は、新潟県弁護士会の弁護士学校派遣制度を利用した申込みでした。

(写真は学校のホームページから)

「ルールについて考えよう」(1コマ目)

2年生全体(205人)が視聴覚室に集まり、机も椅子もなしで床に直接座る形なので、最初から最後まで集中して聞いてもらうのはなかなか難しい設定でした。そこで、少しでも興味を持ってもらえるようにと考えて、生徒さん達にとって身近な「校則」をメインの素材にして、ルールについていろいろな角度から考えてもらう授業をすることにしました。

全体の流れは、こんな感じです。

また、まとめのときに自分で記入してもらうように、↓こちらも配布資料にしました。

1 どんなルールがある?

まずは私たちの身の回りにはどんなルールがあるかについて確認しました。
家での決まり事、学校の校則、ゲームやスポーツのルール、法律、地方自治体の条例、国際条約等々。

2 ルールは何のためにある?

次に、ルールは何のためにあるのか、どうしてルールを作るのかと問いかけ。
そして、もしルールがなかったらどうなるのかを一緒に考えました。
ルールがなかったらいろいろな不都合や困りごとが起きる。物事を円滑に進めたり、みんなが安心して暮らしたりするためにルールが必要になることを確認しました。

3 ルールは守るもの?

次は、ルールはどういうものなのかという話。

せっかくルールを作っても守られないと、ルールがないのとあまり変わらない状態となってしまう。ルールは守るものであるということを確認。

4 どんなルールでも守らないといけない?

では、どんなに困ることがあっても守らなければならないか、どんな状況でもただルールを守っていればそれでいいのかと問いかけ。

そのうえで、板橋区の小学生が「友達と思いっきりサッカーがしたい」という思いから、区議会に陳情して公園の利用時間延長などを実現したという話を紹介。子どもでないと気づかないことがあるし、子どもでも遠慮せずに声を上げていい。自分で声を上げ、他の人の声もしっかり受け止める。そのうえで調整するというのが民主主義の考え方。

5 身近におかしいルールはない?

そして、各地で問題となっている「ブラック校則」の具体例を紹介。

校則については法令上の明確な根拠はないこと、『生徒指導提要』には「(状況の変化に応じて)絶えず積極的に見直さなければなりません」と記載されていること、文部科学大臣が国会で「児童生徒や保護者が何らかの形で参加した上で決定するのが望ましい」と答弁していること、実際に各地の学校でブラック校則を見直す動きが広がっていること等をお話しました。

6 ルールを変えなければならないとき

さらに、『終末時計』の針が20秒進み地球滅亡まで「残り100秒」となった話を紹介。

その要因として核兵器の問題と地球温暖化が指摘されていること、どちらも地球に生きる人全てに関わる問題であり、みんなで知恵や力をあわせて問題解決にあたる必要があること、環境活動家として脚光を浴びるグレタさんはみなさんと同い年であること等をお話しました。

7 まとめ

最後にまとめとして、ルールは何のためにあり、どういうもので、どのように作られる(変えられる)かということを確認しました。概ね以下のようなことをお話したのですが、生徒のみなさんが熱心にメモをとってくれていてうれしかったです。

何のため?→みんなが安心して暮らせるように、よりよく生きられるようにするため。
考え方や価値観、好みなどは、人によって様々。立場によっても物事の見え方や考え方が変わってくる。いろんな意見を持っている人同士がうまくやっていけるように、みんなが安心して暮らせるようにするためにルールが必要。

どういうもの?→守るものであると同時に、必要に応じて変えるものでもある。
みんなが安心して暮らしていくためには、決めたルールを守ることが必要。
でも状況が変わり、ルールを守っていたのでは不都合が出てくることもある。そんな場合には、不都合を解消してみんなが安心して暮らせるようにするために、ルールを変える必要がある。

どうやって?→みんなで作るものであり、みんなで変えるものでもある。
「みんなで作る」際に、無理に1つの意見にまとめたり、数が多い方に決めたりするのは望ましくない。そうしてしまうと、「一部の人」が安心して暮らすことができなくなってしまうから。それぞれに主張し、違いを互いに理解し尊重しあったうえで、できるだけ「みんな」が安心して暮らせるように知恵を絞って調整する。
変える場合にも「みんなで変える」。どんな不都合があるのか、変える必要があるのかは、当事者にしか気づかないこともある。声を上げること、きちんと伝えることが大切。遠慮は美徳ではない。

終了後

授業終了後、後ろの方に座っていた6~7人の男子生徒が話をしにきてくれました。「弁護士さんうちの校則変えてくださいよ~。」というので、「それは自分たちで変えないと」と答え、さらにいろいろと話しました。授業の内容をしっかり受け止めてくれていることがわかり、幸せな気持ちになりました。

「何でも聞いちゃおう」(2コマ目)

10分休みを挟んで、2年1組の教室に移動。「弁護士さんに何でも聞いちゃおう」ということで、生徒さんから出される質問に答えました。

最初に4~5人のグループに分かれて話し合いをして、各グループから2つずつ質問を出してもらいました。

「これまでに一番大変だった事件は?」、「ドラマの弁護士と実際の弁護士で違うところはどこか?」、「他の弁護士との関係はどんな感じ?」、「高校時代や受験時代どのくらい勉強した?」「死刑制度や死刑囚の人権についてどう思うか?」、「刑事弁護をするときどんな気持ちか」、「弁護士費用はどうしてあんなに高いのか?」等々、きっちり答えようとすると1つだけでもかなり時間がかかるものもありました。

かなり削らないと時間に収まりませんが、かと言ってあまり形式的な回答だと、お互いに満足感が低くなってしまいます。内容が理解できるように最低限必要な説明を加えつつ、エッセンスを抽出してこちらが伝えたいことをしっかり話すように心がけました。

関口宏さんを意識した姿勢、という訳ではありません

オファーをお待ちしています

これまでいろいろな形で縁がつながり、いくつかの高校で主権者教育の特別授業をさせていただきました。カリキュラムの調整が大変ななかで、お話する機会をいただけることは、ほんとにありがたいことだと感じています。

引き続き、チャンスがあれば積極的に取り組んでいきたいと思います。
主権者教育をどうしようかと悩んでいる先生がいらっしゃいましたら、お気軽にお問い合わせください。

うれしい感想が届きました

生徒さん達のアンケートが届きました。いくつかご紹介します。

ルールについて

・おかしいと思ったことは口に出すということが大切だと思いました。小学生の行動力の高さに驚き、感心しました。今回の講演を聴けてよかったです。
・授業を受けられてよかったなと思える内容でした。まずは声を上げる事が大事だということがわかりました。
・ルールの大切さや変え方を知ることができたのでよかったです。
・みんなと一緒にルールを変えていきたいです。
・校則を生徒みんなでもっとよりよいものにしたいなと思いました。
・ルールは守らなければならないものだけど、ルールがおかしければ自分たちで変えることができるという考えは良いと思いました。
・自分から提案などしてみないと何もはじまらないと思いました。

弁護士のイメージが変わった

・弁護士と聞くと気難しいイメージがあったのですが、今日のお話でイメージが変わりました。
・弁護士ってすごくお堅いイメージがあったんですけど、こんな風に身近に話が聞けるんだなって思いました。
・弁護士は今までドラマでしか見たことがなくて少し怖いイメージだったけど全然ちがかった。

わかりやすかった

・ちょくちょく面白い話もありながらわかりやすく教えてくれたのでよかったです。結構興味のある話だったので勉強してみたいなと思いました。
・身近なことを題材にしていて考えやすかった。
・とてもわかりやすくてよかったです。次回またこのような講演があったら是非お話を聞きたいです。
・説明も分かりやすく、自分の知らないこともたくさん聞けてよかった。結構楽しかったです。
・もっと難しい話だと思っていましたが丁寧に教えて下さったので退屈せずに聞くことができました。
・知らなかったことが知れて良かったです。弁護士の方の説明がすごく分かりやすくて良かったです。
・弁護士会の講演ということで堅い話かと思っていたけど、聞きやすくて面白かった。
・質問に対して分かりやすく説明して下さって面白かったです。
・とてもわかりやすく、内容が入ってきた。
・すごいわかりやすかった。心にひびいた。

その他

・今まで聞いてきた講演の中で一番良いものだった。
・素晴らしい講演。
・圧倒された。勉強になった。
・初めて知ることが多くとても勉強になった。
・いろいろな話を聞くことができてためになった。
・良かったです!(大きな文字で)


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『上越よみうり』に連載中のコラム「田中弁護士のつれづれ語り」が電子書籍になりました。主権者教育について書いたコラムも入っています。
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