人権教育の教職員向け研修@北諏訪小学校


ブログがきっかけ

5月16日、上越市の北諏訪小学校で、先生方向けに人権教育の研修をしてきました。

「子どもに人権をどう教えるか」のブログを読んだ同校の先生が、「教育現場で陥りがちな考え方について非常に分かりやすく、まさに人権教育の基本として、教職員全体で学びなおしたいと考えました」というメッセージとともに、研修のオファーをして下さいました。

私自身は、人権教育の授業をした経験がそれほど多くないので、実際に数多くの授業をしていらっしゃる先生方に研修をするのはためらわれる部分もあったのですが、ブログに書いたことをお話すればよいということでご了承をいただけたので、担当することにしました。

事前の準備

ブログのとおりといっても、文字で書くのと話すのとでは、やはり勝手が違います。ブログを書く時にはできるだけコンパクトにまとめようと考えていたので、書きあげる過程でそぎ落とした部分がかなりある訳ですが、それらを思い出しつつ、伝わりやすいように内容を組み替えたり、改めて素材を選び直したりしました。

ああでもない、こうでもないと試行錯誤を繰り返しつつ、最終的に以下のような構成でお話することにしました。

まずは、人権そのものについての理解を深めていただき、その基本的理解を踏まえて学校で広く行われている「思いやり・やさしさ・いわたり型アプローチの人権教育」をどう評価すべきかという点についてお話するという構成です。

やや緊張気味で学校に向かったのですが、教頭先生が玄関先で笑顔で出迎えて下さったので、緊張がほぐれました。また、校長先生は私より1つ年上の先生で、とても気さくにご対応いただけたのでリラックスして研修に臨むことができました。

当日お話したこと

「人権そのものについて」では、憲法カフェでやっているのと同様に、条文クリアファイルを配って憲法クイズに答えてもらったり、生きるために必要なモノ・コト、人間らしく生きるために必要なモノ・コト、自分らしく生きるために必要なモノ・コトを挙げてもらったりしながら、人権についての基本的な事柄をお話しました。

「広く行われている「人権教育」について」では、「思いやり・やさしさ・いわたり型アプローチの人権教育」にどのような効果があるかを確認したうえで、人権に対する誤解を招きかねないこと、実社会で蔓延している誤解を払拭することができないという点で限界があること等について、お話しました。

「おわりに」では、教育基本法の条文にも触れながら(人権)教育の目的について確認し、人権教育をするうえで必要なことについてコメントしました。

参考資料として、2つのコラム(『多様性をあるがままに受容すること』『校則をなくした中学校の話』)をお配りし、参考文献として以下のものをご紹介しました。

先生方はみなさん積極的に研修にご参加下さり、ところどころ頷いたり、熱心にメモをとって下さったので、とても話しやすかったです。先生方同士の関係性も良好で、学校全体の雰囲気もとてもよいように感じました。

終了後の懇談

研修の終了後にも、校長先生や、申し込みをして下さった担当の先生と懇談する時間がありました。人権教育の授業をしている中で悩んでいること、課題と感じていることなどを率直にお話下さり、とても参考になりました。

「ご家族のみなさんとご一緒にお召し上がりください」ということで、お菓子をお土産にいただいて帰路に就きました。子ども達にすぐに発見され「パパこれどうしたの?食べていいの?おいしいね!」となったことは言うまでもありません。