うれしい再会
11月9日、妙高小学校の5~6年生(47人)向けに、いじめ予防授業をしてきました。
実はこの小学校の教頭先生は、私の高校時代の同級生でした。事前に電話をもらったとき、何となく聞き覚えのある声だな~と思ったのですが、「覚えていますか?」と言われて、「あ~っ!!」となりました。久しぶりにやりとりできてうれしかったのはもちろんなのですが、「自分の同級生がもう教頭先生になるような歳なのか!」という衝撃もかなり大きかったです笑。
事前の準備
これまでと同様に、事前準備として授業の数日前に、真下真理子弁護士著『弁護士秘伝!教師もできるいじめ予防授業』(教育開発研究所)で紹介されている事例をもとに作ったワークシートを送り、子ども達に検討をしてもらいました。
授業の様子
子ども達は全体的におとなしくて、最初はやや反応が薄かったのですが、4択の問題に手を挙げて答えてもらったり、指名して答えてもらったりするなかで、少しずつ積極的に参加してくれるようになりました。最近の子ども達は、指名するとしっかり自分の考えを言えてすごいですよね。自分が小学生だった頃とは大きく変わっているなと感じます。
また、ところどころメモをとりながら真剣に話を聞いてくれました。同じ題材で、同じように進めていても、子ども達の反応はその時々で違っていて、それに対応して授業の内容もちょっとずつ変わっていくのは面白いですね。
授業の後で
授業が終わった後、校長室に移動して、校長先生・教頭先生とお話しました。
授業の進行役をしてくれた教頭先生が、「お互いを尊重するっていうところのお話がすごくよかったです。『お互いを尊重するのが大切だ』という話はよく聞くけれども、『お互いを尊重するのは難しい』というお話はあまり聞いたことがなくて。でもほんとにその通りだな~と。子ども達に対してということだけではなくて、自分の問題としても捉えられて、日々のことを省みるよい機会になりました。」という感想をお話してくれました。
校長先生は他の用事があって授業には参加できなかったのですが、教頭先生の感想を受けて、「建前論だけ言っていてもダメなんですよね。一人一人が他の人の気持ちを想像して、周りに迷惑がかからないようにしないといけないですね。」とお話されました。
私から「そうですね。両面あってどちらも大切なんだと思うのですが、周りに迷惑をかけてはいけないという話は、家でも学校でもたくさん聞かされていると思うんです。それはそれで大切なことですが、でも同時に、周りに迷惑がかかったとしても守られるべきものがあるということ、たった一人のかけがえのないものを尊重するためにみんなの方が我慢すべきこともあるんだということを、学校でもしっかり伝えていく必要があると思います。」とお伝えしました。
私がこういうお話をしたのは、ブレイディみかこさんの『他者の靴を履く アナーキック・エンパシーのすすめ』を読んで、エンパシーが一面的に強調されると、自らの権利を主張したり権利を行使したりすることをためらわせることにつながりかねないと感じたためです。「他の人の気持ちを想像する」こと自体はとても大切なことですし、校長先生がそんなつもりでおっしゃった訳ではないこともよくわかっていますが、「偉い人」が軽々しく口にしてしまうと、場合によっては人権抑圧の論理に転化しかねない危険も孕んでいるように感じました。
授業の中でも、授業の後のやりとりでも、学ぶところの多い貴重な機会となりました。ありがとうございました!