先日お伝えした,憲法に関する絵本の紹介をしたいと思います。
まず,一冊目の絵本が,こちら『子どもにつたえる日本国憲法』。
井上ひさしさんが文章を,いわさきちひろさんが絵をかいています。
いわさきちひろさんの絵は,色づかいがきれいで,ほんわか柔らかくて,やさしくて,前から大好きです。井上ひさしさんの文章も,大切なことが,とてもわかりやすくシンプルな言葉で書いてあります。
この絵本を読んでいると,戦争で,大切な人との悲しい別れやつらい思いをたくさん経験してきた人たちが,どのような思いで,この憲法を作ったのかということが,伝わってくるような気がします。
それは,彼らの子どもや孫,そのまた後の世代の子どもたちに対する,深い愛情と願いではないかと思います。
「私たち人間が生きていく上で,一番大切なことは何か」ということが,日本国憲法には書いてあります。
この大切なことは,私たちにとっては当たり前すぎて,普段は忘れてしまいそうになります。
「国際情勢の変化」とか「安全保障」とか難しい言葉を聞くと,後回しにされても仕方のないことなのかなと思ってしまいそうになります。
でも,この絵本を読むと,戦争を体験した人たちから,「ここに書かれていることは当たり前のことだけど,それをなくしてしまった私たちには,それがどんなに大切で,でも,とてももろくて,はかないものか,よく分かっています。
だから,あなたたちは,その手でぎゅっと握りしめて,決して手放さないように,しっかり守っていってください。」そう言われている気がします。
「憲法ってなぁに?」と子どもに聞かれたら,ぜひ一緒に読んであげてほしいなと思う一冊です。
長くなったので,続きはまた。
田中篤子
絵本de憲法の趣旨はこちらから。