卒業に寄せて


卒業の季節ですね。

何年か前に、出身中学の校長先生から連絡をいただき、OBから卒業生に向けたメッセージを書いてくれないかと頼まれたことがありました。思春期まっただ中の卒業生にどんなメッセージを送ればよいのか、悩みに悩んだ末に書いたのが、以下のメッセージです。

やや難しすぎた感は否めませんが、憲法解釈を変えることで憲法9条を死文化させてしまおうという、危うい動きが露骨に進められている今、改めて送りたいと思い、以下に貼り付けます。

卒業に寄せて

旧約聖書(イザヤ書第2章5節)には、以下のような一節があります。
『ヤハウェは国々の間を審き、多くの民の仲裁に立たれる。かくて彼らはその剣を鍬に打ち変え、
その槍を鎌に変える。国は国に向かって剣をあげず、戦争のことを再び学ばない。』

この一節を読むと、「命を奪う武器を、命を維持する農具へとつくりかえる」というのが、はるか紀元前の昔からの人類の悲願であったことがわかります。

ニューヨークにある国連本部の前庭には、剣を鍬に打ち変えるべくハンマーを振り上げた男性の銅像がたっており、その台座にこの一節が刻まれたプレートが埋め込まれています。

国連本部 銅像

しかし、人類はいま、10億人もの飢餓人口を抱える一方で、80兆円を超える軍事費を支出しています。

ただ、この現状を他人のせいにすることはできません。              

私たちの国の憲法は、その前文で、「全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免かれ、平和のうちに生存する権利を有する」と謳い、「日本国民は、国家の名誉にかけ全力をあげてこの崇高な理想と目的を達成することを誓ふ」と宣言しています。


そして、私たち1人1人には、国政に関する重要な事項を最終的に決定する権限が与えられています。

「崇高な理想と目的を達成すること」と、「人類の悲願」を実現することとは、実質的に重なりあっているといえるでしょう。

みなさんの卒業にあたり、この国の主権者として、世界の現実を少しでも前に進めていくために歩まれることを心から呼びかけます。