ワールドニュース(NHK-BS)のススメ


1 ワールドニュースを見ています

パリで起こったテロをきっかけに、NHKーBSのワールドニュースを観るようになりました。
これ、おすすめです。

図1

以前から、「日本のニュースだけ観ていてもダメで、海外のニュースもチェックした方がいい」と聞いてはいたのですが、私は英語がアレなのと、3人育児でテレビを観る余裕がないので、テレビのニュースは、朝7時と夜7時のNHKニュースくらいしか観ていませんでした。

でも、BSのワールドニュースを観るようになって、地上波のNHKニュースを観ていても必要な情報は入ってこないということがよーく分かりました。

2 BBCが報じていること

たとえば、パリのテロや、シリアに対する空爆について、「ワールドニュース」で流されているわずか数分のBBCのニュースを観るだけで、以下の様なことがわかります。

参加の是非を考える際のポイント

イギリスの首相は、シリアに対する空爆に参加するために、議会の了承を取り付けようとしている。

参加の是非を考える上で、重要なポイントは2つ。
①シリアへの空爆がISの脅威を取り除く上でどこまで有効なのか、②空爆への参加が新たなテロの脅威を招く可能性がないのか。

空爆の有効性

空爆にISへの対抗手段としての有効性が認められないことは、これまでにシリアやイラクなどに対する空爆が8000回以上行われているにも関わらず決定的な効果を上げていないことからすでに明らか。多くの専門家は、ISから支配地域を奪還するには地上軍が必要だと指摘している。

しかし、アフガン戦争、イラク戦争では、欧米の地上軍の投入および戦後統治が失敗だったこともはっきりしており、その反省をシリアでどう生かせるのかということはまだわかっていない。
空爆を行うのであれば、その後のことについても十分すぎるほど考えて行うべきであると専門家は指摘している。

かえってテロのリスクを高めることにならないか

空爆により被害を受けた市民が新たにテロ組織に加わる危険は以前から指摘されているが、最近はISの行動が巧妙化し、その危険はますます高まっている。
ISは、住宅が密集した市街地の地下にアジトを設けるようになっており、ISを攻撃するためにはその上にある民家も破壊しなければならないからである。

また、ロシアと欧米はISとの闘いでは共同できるが、ロシアはシリアのアサド政権を支持しているのに対し、欧米は反政府勢力を支持しているという違いがある。
ISを攻撃することは、アサド政権の敵を攻撃することになり、結果的にアサド政権を助けることにつながるというジレンマも抱えている。

3 NHKのニュースとの対比

質も量も圧倒的な差がある

娘に授乳したりオムツを変えたりしながら観ていたので、ずっと集中して観ていたわけではありません。また、私は世界情勢に詳しいわけでもありませんし、十分な前提知識もありません。
それでも、これだけの情報をわずか数分で得ることができます。

BSのワールドニュースを観たあとに日本のニュースを観ると、しゃべり方もゆっくりだし、同じことを何度も繰り返すし、情報量も少ないし、「子ども向けのニュース」と「大人向けのニュース」、あるいはそれ以上の質的、量的な差があるように感じてしまいます。

自分で考えられるようになる

日本のニュースを観ていても、分かったような分からないような、ぼやっとした印象を抱くだけで、なかなか自分の頭で考えるところまでは行けません。
それで、「難しい問題だから、一度本でも読んでじっくり勉強しないと分からないな。
でも、そんな時間ないな。」などと思ってしまうのですが、BBCのニュースは、観ているだけで自分の意見を持てるようになるのです。

また、ワールドニュースはBBCだけでなく、色々な国のニュース番組をまとめて流してくれるので、BBCを観たあとに同じ問題をロシアや中国がどう報道しているのかを観ることができて、それだけで世界情勢に関する感覚が養われていくような気がします。

オススメ

このワールドニュースをNHKが放送しなくなったら、日本もいよいよ終わりだなぁ~と思っていますが、じわじわと愛好者が広がっていくんじゃないかなぁと密かに期待しています。

田中篤子