『どうする?上越市』~候補者のいない政策トークイベント~


選挙が持つ機能を発揮させるために

上越市では、今年10月に市長選挙が予定されています。衆議院総選挙、市議補選とあわせてトリプル選挙になる可能性もありそうですが、市長選挙の前に、ちょっとしたイベントができればと構想(妄想)しています。

先日のコラムで、私は、政策論議を深めるために、「候補者任せ」「候補者待ち」にしないで、「市民発」の政策提言をどんどんしていってはどうかという趣旨の呼びかけを行いました。

これは、単なる思いつきではなくて、私自身が主権者教育の授業で語ってきたことの実践でもあります。私はこれまでに県内の高校で何度か主権者教育の授業をさせていただいていますが、その中で、「選挙は勝つか負けるかだけではない。負けたから何も意味がなかったということはなくて、選挙によって社会が抱えている問題が可視化されたり、候補者の論戦を通じて政策が練り上げられていったりすることもある。だから、選挙に関心をもって、いろいろな形で関りを持つことが大切」という話をしてきました。

今回の市長選挙を通じて、上越市が抱える問題を可視化したり、政策を形成したりするために、自分にできることはないかと考えてコラムを書きました。

まずは自由な発想でアイデアを出し合うところから

それでも「コラムを書いておしまい」ということでは、言いっ放しになってしまいます。もう少し踏み込んだ、具体的な行動ができないものか。ただ、実際に行動に移そうと考えを巡らせると、どの分野でもかなり問題が深刻化してしまっているので、それを解決する現実的な手立てを考えるのは、かなり難易度が高いと感じます。

そこで、まずは「現実的」な思考からいったん離れて、ブレーンストーミングのように自由な発想でアイデアを出し合うところからはじめたらよいのではないかと考えました。この段階では「そんなことほんとにできるの?」とか、「それをやるとこういう問題が出てくるんじゃないか」とかの、後ろ向きな批判は抜きで、「そういうのできたらいいね」、「そうなったら面白いね」、ということで、自由に(ある意味)無責任に夢を語り合います。

現実的・総合的に判断するのは、その次の段階です。「こういう風にできたら一番いいけど、こういう点で難しい。」。そこまでいけば、A「その点はこういう風に乗り越えられないか」とか、B「そこまでは無理だけどこういう形ならできるんじゃないか」など、自由なアイデアを生かす方向で現実的な思考をしやすくなるのではないかと思います。

気軽なトークイベントで

このブレーンストーミング的なものを、篤子弁護士と2人で語るトークイベントの形式でやってみたいと考えています。トークイベントの冒頭で、私たちなりに検討したものを報告し、それをふまえてトークするイメージです。

検討の手法としては、篤子弁護士が、Kinaiyaプロジェクトの公開ミーティングで空き家問題について行った報告のような形をイメージしています。つまり以下のような手法です。

  1. 客観的データに基づいて現状を把握する
  2. 問題の背景や構造的要因を分析する
  3. 問題解決のための方策を他の自治体の取り組みも参考にしながら検討する。

トークの様子をライブ配信して、見ている方から感想やアイデアを寄せていただき、それも適宜紹介しながら、楽しく語れたらいいなと思っています。私たちの「報告」とみなさまからお寄せいただいたアイデアをとりまとめて、何らかの形で候補者のみなさんにもお示しして(公開質問状みたいないかめしい感じではなくて)、感想なり評価なりをいただくことができたら理想的ですね。

市政の問題は多岐にわたり、なおかつ相互に関連しています。全体をカバーするような検討をすることは能力的にも時間的にもまったく無理なので、まずは「少子化・子育て・人口減少」、「空き家・所有者不明土地」の2つのテーマについて、試験的にやってみたいと思います。

自由に発言できる空気を広げたい

コラムでは「専門知に基づく」などと書いてしまいましたが、今回の企画はそういうことではなく、あくまでも気軽なトークイベントですので、あまり過剰な期待はしない方向でお願いします笑。

候補者さん達は今後、公約や政策集を公表したり、演説や討論会で主張を展開したりしていくことと思います。そういう話を聞いたり、公約の内容を吟味・検討したりする際の「考える足場」、「議論する際の共通の土台」みたいなものがあれば、評論家的な解釈型の思考ではなく、当事者的な解決型の思考をしていけるのではないか。ちょっと欲張りすぎかもしれないですが、そうしたものが提供できたらいいなと考えています。

上越市の問題については、市民のみなさん全員が当事者であり関係者である訳なので、もっと自由に発言できたらよいのにと、強く思います。特に、自分に関わりのある分野、興味や関心がある分野については、その人にしかわからないこともたくさんあります。そういうことを「#上越市長選気軽に提言」というようなハシュタグをつけて、SNSで発信する。それらをとりまとめた「集合知」を、みんなの目にも見える形にしていくことができれば、実り多い選挙にしていけるのではないでしょうか。

今回のトークイベントは、そういう自由な空気を広げていくきっかけになればという思いで取り組みます。日時、場所、持ち方などの詳細はまだ決まっていません笑。決まり次第あらためて告知しますので、楽しみにお待ちください!