「建物被害」に関する救済制度(上越市豪雪災害)


上越市内では、「建物被害」も数多く発生しています。被災者の方が利用できる可能性のある制度等について、長岡技術科学大学の木村悟隆先生からいろいろ教えていただいたので、ご紹介します。

1 応急修理制度(→建物修理費用の一部補助)

今回の災害には、災害救助法が適用されているので、応急修理制度が利用できる可能性があります。

1 対象と援助内容

(1)住家が「半壊・大規模半壊」の被害を受けた方

日常生活に必要最小限度の部分の応急修理について、1世帯あたり59万5000円を上限とする費用援助

内閣府政策統括官『災害救助法の概要(令和2年度)』から

(2)住家が「準半壊」(10%以上20%未満の損傷)の被害を受けた方

日常生活に必要最小限度の部分の応急修理について、1世帯あたり30万円を上限とする費用援助

内閣府政策統括官『災害救助法の概要(令和2年度)』から

「準半壊」にあたるかどうかの見極めはなかなか難しいですが、例えば令和2年3月の風害で、以下の画像のような例が示されています。

『内閣府防災情報の災害に係る住家の被害認定基準運用指針』 参考資料(損傷程度の例示)【令和2年3月】の風害

2 手続き

この応急修理制度を利用するためには、「半壊・大規模半壊」か、「準半壊」かの判定を受けて、罹災証明書を発行してもらうことが必要となります。まず、市の税務課か大雪災害対策本部宛(025-526-5111)に連絡して、破損状態の調査を行ってもらうようにしてください。

3 注意点

(1)期間制限

「災害発生から1カ月以内に完了」という期間制限があります。県の危機対策課に問い合わせたところでは、「雪害という特性上、被害の把握に時間がかかるため、柔軟な運用をしてもらえるよう内閣府と協議したい」とのことでしたが、いずれにしても速やかに手続きをとっていただいた方がよいかと思います。

(2)代金を直接支払わないこと

修理代金は、市が業者さんに支払います。直接支払いをしてしまうと、この制度が利用できなくなる可能性がありますのでご注意ください。

2 応急仮設住宅への入居(→家賃等の補助)

全壊の場合や、半壊であっても住み続けることが困難な場合(個別協議)には、(賃貸型)応急住宅を利用でき、家賃等の実費について補助を受けることができます。対象となりうる方には既に市の方で個別に連絡をしているようですが、今後さらに被害が広がった場合などには市の危機管理課宛(025-526-5111)にお問合せをしてみてください。

内閣府政策統括官『災害救助法の概要(令和2年度)』から

なお、応急仮設住宅に入居している場合には原則として、1で書いた「応急修理制度」が使えないのですが、例外的に仮設住宅に入居しながら応急修理制度を利用することができる場合があります。詳細は上記リンク先をご確認ください。

3 住宅保険による補償

住宅保険(火災保険・地震保険)の多くは、「雪災」も補償対象としています。

雪の重みや落下による事故はこの「雪災」に含まれますので、雪の重みにより建物が破損した場合には補償対象となります。入っていらっしゃる保険内容の詳細をご確認ください。