ブログがきっかけ
10月19日(金)、上越高校で主権者教育の特別授業をしてきました(*10月31日付追記上越高校のホームページに記事が掲載されていたのでリンクをはりました)。
今回の授業は、私のブログやSNSでの投稿を見た先生からお声がけいただいたことがきっかけで実現しました。
対象は2年生全体で、230人。視聴覚室にイスなしで座るという厳しい環境設定であることもあって、「私語や居眠りをしてしまう子が結構でてしまうかもしれない」と、先生から事前に言われていました。
アルバイトに関するクイズ
そこで、少しでも興味をもってもらえる様な内容にしようと考えて、最初に「アルバイトにまつわる○×クイズ」を出題することにしました。そして、「今アルバイトしてる人~?」と聞いて手を挙げてもらったり、自分のアルバイト経験を話したりして、なるべく双方向でのやりとりをしながら話を進めました。出したクイズは例えばこんな感じ。
その後、ブラックバイトの話からブラック企業の話につなげた上で、過労死やパワハラなど職場で遭遇する可能性がある様々な問題についてもクイズを出し、具体的な事例も織り交ぜながらお話しました。一部で有名な「しゃぶしゃぶ温野菜ブラックバイト事件」の内容を紹介したときには、そのあまりの酷さに驚いたのか、全員の視線が集まるのをはっきり感じました。
就職するときに気をつけること、就職後困ったときどこに相談したらよいのかなど、一通りの説明をして、「法律のことを知っておくと、いざというときに自分や自分の周りの人の身を守ることができる」という「まとめ」をしました。
社会の問題でもある
そのうえで、以下のようなスライドを示しながら、自分や自分の周りだけの問題ではなく社会の問題なのではないかという投げかけをして、問題を解決するためにはどのようなことをしたらよいかという点に話を進めました。
対策を進めるうえでは、法改正や予算措置も必要となりうることを説明しつつ、「そういうことを決めるのは誰だっけ?」と問いかけをして、国会や選挙の話につなげました。
先生のおかげで盛り上がる
国会議員の人数を3択クイズで出題。「正解は先生に発表してもらってもいいですか?」と話を振ろうとしたところ、苦笑いしながらものすごい勢いで首を横に振る先生がお一人(笑)。
「あ~、ちょっとやめといた方がいいですかね?」と言ったところ、別の先生が「1番の500人」と自信たっぷりに回答してくれました。「お、ありがとうございます!自信ありますか、先生?」「大丈夫です!」とのやりとりの後、正解発表。「正解は、3番の約700人です。」で、大きな笑いが起こり、この日一番の盛り上がりとなりました(笑)。
「衆議院議員が約500人なので、きっとそのことが頭にあって間違えたんですよね?先生!」とフォローしつつ、「この約700人の国会議員が、それぞれこの問題についてどんな解決策を考えたり実行したりしているのか調べるにはどんな方法があるかな?」と問題提起。最後にそのためのいくつかの方法について簡単に触れて、全体授業は終了となりました。
なんでも聞いちゃおう
その後、10分休みの間に、2年2組の教室に移動。「弁護士さんに何でも聞いちゃおう」ということで、そのクラスの生徒から出される質問に答えました。
裁判のこと、法律のこと、憲法のこと、仕事の内容ややりがい、収入について、好きな食べ物などなど、ほんとに何でも聞かれました(笑)。
事前に質問が用意されていた訳ではないので、全てその場のアドリブ。それでも直接質問に答えるだけならそんなに難しくないと思うのですが、1問あたりの回答時間が2~3分しかないなかで、みんなが理解できるように適宜前提知識の説明をしたり、エピソードを織り交ぜてそれなりに面白い内容にしたりするのがなかなか大変でした。
さらに、10分休憩をはさんで、今度は2年3組で「何でも聞いちゃおう」。
こちらでも何でも聞かれる状態に。3時間続けて授業をするのは初めてでしたので、終わった後は想像していた以上にぐったりしてしまいました(笑)。
うれしい感想が
1時間目は、「ワークルール教育」から「主権者教育」につなげたお話。
2時間目と3時間目は、「弁護士版のキャリア教育」っぽい内容、ということで、はからずも法教育のいくつかの分野をミックスするような内容の授業に仕上がりました。
私が見る限り、3時間通して一人も眠ってしまう生徒がいなかったので、それだけで自分に対して合格点をつけていたのですが(笑)、生徒さん達の感想文に、「全部の話が面白かった」「とても聞き入ってしまった」「とても面白かったです。もっといろんな話を聞きたいと思いました」「面白くてためになる話がたっぷりで、すごく良い時間だった」「具体例がありわかりやすかった。対処法まであってとてもためになった」「身になる話ばかりでした」などの声がたくさん書かれていたので、ほっとしました。
オファーをお待ちしています
これまでいろいろな形で縁がつながり、今回の上越高校を含めて5つの高校で主権者教育の特別授業をさせていただきました。カリキュラムの調整が大変ななかで、お話する機会をいただけることは、ほんとにありがたいことだと感じています。
引き続き、チャンスがあれば積極的に取り組んでいきたいと思います。
主権者教育をどうしようかと悩んでいる先生がいらっしゃいましたら、お気軽にお問い合わせください。