大々的な取り組み
5月6日(金)、「檻の中のライオンin上越」が開催されました。
主催は実行委員会ですが、その中心を担ったのは、2019年9月に当事務所の主催で開催した「檻の中のライオンin上越」に参加して下さった方です。その時から「次はもっと大々的に取り組みましょう」というお話をしていたのですが、2年半越しで今回の企画へと結実しました。
共催と協賛
共催に、上越市と上越市教育委員会が入ったことで、市内の全中学生に学校を通じてチラシを届けることができました。また近隣の高校や大学にチラシ配布・ポスター掲示を依頼しました。さらに、図書館や市民プラザ等の公共施設にもポスターが張り出されました。
また、BSN新潟放送、上越タウンジャーナルにも共催に入っていただき、テレビCMやネットニュースで告知がなされました。数多くの地元の企業にも協賛いただきました。
幅広い参加者
当日は、市長・副市長が揃って参加され、最後まで講演を聞いてくださいました。また、中高生や大学生、学校の先生等の参加者も見られました。個人的には、スーツ姿の男性の参加者が多かったことが印象に残りました。
わかりやすく伝えるための工夫
講演の概要
「8泊9日のツアーの途中です」というお話からスタートした講演は、恒例のオープニングクイズの正答率があまり高くなかったこともあり、通常よりも少しゆったりした進行となりました。
講演で触れられた要素を項目として挙げると、以下の様になります。
『第1章 ライオンを檻に入れよう』
・天賦人権論
・個人の尊重
・社会契約説
・民主主義
・立憲民主主義『第2章 檻で何を守る?』
・憲法9条
・平等原則
・表現の自由
・知る権利
・社会権『第3章 檻が壊れないようにする仕組み』
・権力分立
・硬性憲法
・違憲審査権
「根っこ」と「幹」
ただ、実際の講演はこのように無味乾燥なものではまったくありません。むしろその逆で、「条文や制度の言葉をただ丸暗記しても意味はない」「要するにどういうことなのか、なぜそうなっているのかを考える必要がある」というのが、講演全体を貫く基本的なスタンスです。
そして、パペットと檻を使って、憲法の「根っこ(一番大切にしているテーマ)」と「幹(基本原則)」について、繰り返しわかりやすく説明してくれます。その理解を踏まえて「枝葉(時事問題)」が語られるので、時事問題の「本質がどこにあるのか」「憲法に照らしてどこがどのように問題であるのか」がよくわかります。
考え抜かれたフレーズ
また、以下に紹介するように、わかりやすく伝えるために考え抜かれたフレーズが随所に散りばめられていて、理解を助けてくれます。
- 根っこが違うと全然別のものになる
- どのライオンにするかも私たちが決める
- 横綱が、自分の調子のいいときに場所を開こうとする
- 伸び縮みする物差しになってしまったので違憲かどうかが判断できない状態になってしまった
- ライオンを怒らせないように気を遣う必要がなくなった
- ライオンは覗き込まれたらイヤなのでカーテンをつけたいと思うかも知れない
- ライオンの力では壊せない硬いつくりになっている
- 「緊急時に檻から飛び出して君たちを守れるようにライオンが内側から鍵を開けられる檻に作り替えよう」とライオンが言っていたらどう思いますか?
- 檻について考えなくても生活できるのは、きちんとした檻があるおかげ。それは動物園と同じ
次の行動につながるように
参加者への問いかけ
講演全体を貫くもう1つのスタンスは、参加者(主権者)に対する問いかけ(問題提起)です。
「右とか左とか関係なく誰もが一致できるはずの共通の土台・土俵が憲法。その土台・土俵が壊されたり、作り替えられたりしている。びっくりするようなことが起こっているのに、それをおかしいと思っている人がほとんどいない、関心がない人が多い、そのことにびっくりしている。」
「法律家として黙っていられない。権力者がおかしいことをしたら、主権者がダメと言わないとどんどんおかしくなっていってしまう。ルール違反がまかり通ってしまう。そういう危機感があって、全国各地を回って講演するようになった。」
共有される危機感
講演で憲法の「根っこ」や「幹」について学んだ参加者は、現状のおかしさがよくわかり、楾弁護士が抱いている「危機感」を共有できるようになります。
そして最後のスライドには、国民の「不断の努力」について定めた憲法12条の条文とともに、「知る→考える→行動する」と書かれていました。これを見て、ただ知るだけでは不十分で、自分で考えを深め、行動していかなければならないとの思いを強くしました。
行動のきっかけに
最前列で熱心に講演を聞いていた若い男性は、質疑の中で「友達と政治のことを話すときに、どんな話題を入り口にしたらいいか。おすすめの話題などがあれば教えてください」と質問していました。自分の具体的な行動を思い描いたからこその質問で、感心しました。
また、書籍コーナーは、行列ができるほどの人気ぶりで、多くの方が楾弁護士の著書を購入していました。そして、顔見知りの学校の先生から私宛に、主権者教育の授業のオファーをいただきました。
多くの参加者が自分なりの行動をはじめている様子を目の当たりにして胸が熱くなりました。
報道
上越タイムスに記事がアップされていました。ありがとうございます!
書籍
SNS
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