10月17日に、新潟県の肝炎対策協議会が開催されました。私は傍聴できなかったのですが、傍聴した当弁護団の弁護士が作成したメモをもとに要点を記載します。
1 前進した点:協議事項として「ウイルス検査の促進」・「陽性者のフォローアップ」が掲げられたこと
私たちが注目していたのは、以前このブログでも紹介した当弁護団の要請がどの程度反映されているかということでした。
その観点からすると、「協議事項」として、「肝炎ウイルス検査を促進するためにどのような方策が必要であるか」といった点や、「検査の結果陽性だとわかった人をいかにフォローアップしていくか」といった点が掲げられたことは大きな前進といえます。
2 改善が必要な点:県担当者の消極的な姿勢
①職場の健康診断でウイルス検査を受けられるようにすること
協議のなかで、協議会委員の医師や患者から、「職場の健康診断の項目に肝炎ウイルス検査を加えるべきである」とか、「鳥取県ではそのために5000万円の予算を組んでいる」などの積極的な提案がなされたにもかかわらず、県の担当者が「予算を含めて困難が伴う」などとして、否定的な対応に終始していたことは大きな問題です。
②身近な医療機関で無料検査を受けられるようにすること
「無料でウイルス検査が受けられる『委託医療機関』の数を増やすべきではないか」、という意見に対しても、県の担当者は「現時点で委託医療機関における検査数は多くないから、委託医療機関を増やせば検査数が増えるのかについて疑問がある」などとして、やはり否定的な見解を述べました。
しかし、現在、新潟県の委託医療機関は「35」しかありません。たとえば栃木県は「580」,石川県は「318」となっており、他県と比較して文字通り「桁違いに少ない」のが現状です。
しかも、35の委託医療機関は、いずれも規模が大きい医療機関であり、気軽に検査を受けにいけるような病院ではありません。
「委託医療機関における検査数が多くない」のは、こうしたことが原因であると思われます。
いくら無料で検査が受けられるといっても、検査を受けるためだけに保健所に行ったり、大規模医療機関を受診したりすることを期待するのは現実的ではないからです。
だからこそ私たちは、市民にとって身近で気軽に受診できる医療機関でも無料検査を受けられるように、委託医療機関の数を増やしてほしいと要請したわけです。
県の担当者には、消極的な姿勢を改めて、検査を受ける側の気持ちに想像力を働かせた積極的な対応を行うことが求められています。