東日本大震災から4年の節目にあたる3月11日、裁判報告会@上越を開催しました。
雪が降るあいにくの天候のなか、およそ30人の方が出席してくれました。
1 原発をめぐる情勢と裁判の意義について
最初に、弁護団の事務局長である松永仁弁護士から、原発をめぐる情勢と裁判の意義について報告がありました。
話のなかで、柏崎刈羽原発の特質として、2つの点が指摘されました。
1つは、中越沖地震に被災した原発であるということです。
東京電力は、中越沖地震のあと、基準地震動Ssによる最大重力加速度の数値を大幅に引き上げました。この変更をうけて、いくつかの設備について耐震補強工事がなされていますが、引き上げた数値に見合うだけの措置がなされているのか疑問が拭えません。
また、原子炉そのものは何も施工がなされていません。
今後の裁判ではこの点について詳細を明らかにするように、被告に対して求めていくことになります。
2つめは、東京電力が経営主体であるという点です。
福島第一原発事故を起こし、その後も汚染水問題などで管理能力がないことを示し続けている東京電力が原子力発電所を適切に管理することができるのか甚だ疑問です。
裁判でも、原告側は、東京電力には原発を管理する資質も能力もないことを具体的な事例に基づいて繰り返し主張しています。
2 地震・地盤に関する争点について
次に、高野義雄弁護士から、地震・地盤に関する裁判上の争点について説明がありました。
内容は、大きく分けて以下の3点です。
- 活断層と地盤のズレ
- 活断層と地震の揺れ
- 基準地震動の基本的事項
以上のうち、3は、専門性が高く、耳慣れない言葉がたくさんでてくることもあって、とても難解な内容なのですが、高野弁護士から丁寧な説明がなされたため、参加者はみなさん熱心に聞き入っていました。
3 質疑など
今後の裁判のスケジュールや見通しなどについてなど多くの質問や提案が出されました。
また、今回の報告会の準備を手伝ってくれた「つなげよう脱原発の輪上越の会」の植木さんと
原告団の共同代表でもある吉田隆介さんから呼びかけがありました。
新潟日報と、信濃毎日新聞の記者さんが取材に来てくれました。
お二人とも最初から最後まで真剣な表情で聞いてくれていました。
*3月13日追記
本日付の新潟日報朝刊に記事が載っていました。
4 次回
次回の口頭弁論期日は、7月5日午後3時からですので、次の裁判報告会はその少し後くらいに開催することになろうかと思います。
平日の夜だと参加できる方が限られてしまうので、次回は休日の午後などに開催したいと思っています。
今回は時間が足りなくなってしまい、グループディスカッションができませんでした。
次回はむしろグループディスカッションをメインにしてもよいかと思っています。
リクエストなどがありましたらメールなどでお寄せください。