7回目
11月21日(火)、上越市立春日中学校の3年生(約200人)を対象に、薬害教育の特別授業をしてきました。
春日中学校は私の母校で、当事務所から徒歩数分のところにある「最寄り」の中学校です。2015年度に授業をさせていただいて以降、新型コロナの影響で実施できなかった2年間の中断期間以外は毎年授業の機会をいただいており、今回は通算で7回目の授業でした。
被害者の方と一緒に
いつものように、被害者の方と一緒に学校にお邪魔しました。
最初の導入的なお話を私が行いしました。こちらからいろいろ問いかけをしながら説明したのですが、必ず何らかのリアクションがあったので、テンポよく話を進めることができました。
榑松さんのお話
授業のメインは被害者の方のお話です。今回は、千葉在住原告の榑松公子(くれまつきみこ)さんが、お話してくれました。
榑松さんは、第一子出産の際に大量出血となり、5500mlの輸血と、フィブリノゲン製剤2gの投与を受けました。何とか救命され、23日後に退院しましたが、その後、肝炎の急性症状がでて50日間の入院を余儀なくされます。
1993年、榑松さんはC型肝炎の治療(インターフェロン療法)を受けます。強い倦怠感や脱毛などの副作用に苦しめられながら、なんとか治療を終えましたが、ウイルスは消えませんでした。さらに、2006年、2008年、2009年と、通算して4度にわたるインターフェロン治療を受けましたが、高熱、脱毛、不眠など強烈な副作用の影響からうつ病となり、治療を中断せざるを得ませんでした。
その後、2015年から使用可能になった新薬での治療を受け、ウイルスは検出されなくなりました。しかし、肝がんになるリスクがまだ残っているため、いまでも年に1回検査を受けています。
榑松さんは、「たった2gの薬が原因で、私は29年間もC型肝炎の治療を続けることになりました。ごく少量の薬が人の人生を大きく狂わせることがあることを忘れないで欲しいと思います。」と訴えました。
生徒のみなさんは、真剣な表情で聞き入っていました。目に涙を浮かべている子もいました。
身近にある薬のリスク
最近、市販薬の過剰摂取(オーバードーズ)が大きな問題となっていることもあり、薬害、副作用被害と併せて、この点についても簡単に説明しました。身近にある薬にも危険が潜んでいることを感じてもらい、薬との正しい付き合い方について考えてもらえればうれしいです。
オファーをお待ちしております
薬害肝炎原告団・弁護団では、薬害事件の悲劇を繰り返さないために、この薬害教育に取り組んでいます。
これまでに授業を実施した学校の生徒さんや先生方からは、「薬害は思っていたより身近な問題なのだと気づいた」、「薬や薬害についてもっと学びたい」、「被害体験を直接聞けたのはよかった。高等部の生徒にも聞かせたい」などの感想が数多く寄せられています。
全校生向け、学年単位、クラス単位など、どのような形式でも対応可能です。
興味をお持ちの学校関係者がいらっしゃいましたら、お気軽にお問い合わせください。
【新潟県内の方】
→当事務所宛 TEL 025-522-5781 FAX 025-522-5782
【県外の方】
→薬害肝炎東京弁護団 TEL 03-6384-1823 FAX 03-6384-1824
報道
上越タイムスの11月27日付に記事が掲載されました。ありがとうございます。
新潟日報の12月12日付朝刊に掲載されました。ありがとうございます。