屠蘇散
お正月に無病長寿を願って飲むものといえば、お屠蘇ですよね。お屠蘇の名前の由来は、「蘇」という悪鬼を屠るという説や、邪を屠り生気を「蘇生」させるという説などがあるようです。「屠蘇散(とそさん)」というのは、生薬を配合したもので、お屠蘇はこれをお酒に漬け込んで作ります。
昨年末、この「屠蘇散」を購入すべく、子どもと買い出しに行ったのですが、上越にはお屠蘇を飲む習慣がないようで、大変な思いをしました。
スーパー
最初に向かったのは、自宅近くのスーパー。お正月モノを置いてあるコーナーやお酒コーナーなど、置いてありそうなところを一通り見ても見あたらなかったため、店員さんに聞いてみることにしました。
「すみません。屠蘇散はどこにありますか?」と尋ねると、「とそさん、ですか?」と怪訝な顔で聞き返されました。「そうです。お屠蘇の原料の屠蘇散です。」と答えると、戸惑い気味の表情になったものの「ちょっとお待ちください。」と言って他の店員さんを呼びに行ってくれました。
しかし、連れられてきた店員さんとのやりとりは「何をお探しですか?」からはじまった後、再び屠蘇散の説明を繰り返すことに。最終的に、当惑顔のまま「うちにはそういうものは置いてないですね。」と言われてしまいました。
ドラッグストア
スマホで調べたところ、ドラッグストアや酒屋で売っているらしいことがわかりました。そこで、次はスーパーのすぐ近くにあるドラッグストアに行くことにしました。
入り口近くにいた若い女性の店員さんに「屠蘇散を探しているんですが。」と声をかけると、困り顔になった後、もう1人の店員さんに助けを求めるような視線を送られてしまいました。助けにかけつけた(?)もう1人の店員さんにスマホで屠蘇散の画像を見せながら、屠蘇散の説明をしたところ、説明を聞いていた若い女性店員さんが「絶対に置いてないと思う。」とつぶやいたため、探すのを諦めて次のお店へ行くことにしました。
大型ショッピングセンター
次に向かったのは、酒屋も薬局も入っている大型のショッピングセンター。
さすがに酒屋にならあるだろうと思ったのですが、経験豊富そうな女性店員さんに「屠蘇散は置いてますか?」と聞くと、不審者を見るような顔で「何ですか?」と聞き返されました。例によってスマホ画像を見せながら屠蘇散の説明をしたのですが、「うちは酒屋なのでそういうのは売っていません。」と冷たく言い放たれてしまいました。「酒屋なのに屠蘇散も知らないなんて・・・」という言葉を飲み込んで、薬局や食料品売り場も見て回りましたが、どちらにも置いてありませんでした。
酒屋
段々暗い気持ちになってきたものの、そう簡単に諦める訳にもいかず、地酒を豊富にそろえている酒屋さんに行ってみることにしました。
1軒目では、画像を見せながら説明したにもかかわらず、「あ~、神棚に備える小さいやつですか?」と言われ、今度はこちらが当惑することに。酒の小瓶を出されて、御神酒と勘違いされてしまったことがわかりました。結局そのお店には屠蘇散は置いていなかったため、2軒目の酒屋に行くことにしました。そこでも「御神酒ですか?」「いや屠蘇散です。」のやりとりの後、屠蘇散の説明をしたところ、「何するんですか、そんなもので?」と聞き返されてしまう始末。
私はこの辺りで心が折れかけてしまったのですが、一緒に回っていた長男が「お客さんの方がわかってるのにお店の人がわからないって面白いね。ぼく冬休みの作文でこのこと書くよ。」と言うので、もう少しがんばることにしました。
遂に発見!
次に訪れたもう1つの大型ショッピングセンター内の薬局で店員さんに聞いたところ、「年末なのでお願いしてこちらにおいてもらってるんです。」と食料品コーナーに案内してくれました。半分以上諦めていたので、あまり目立たない一角にある棚の下段にひっそりと置かれている屠蘇散を見つけたときは、長男と手を取り合って喜んでしまいました。
お屠蘇のススメ?
屠蘇散を買うのにこんなに苦労したくないので、上越にもお屠蘇文化を根付かせるために、このブログを書いています(笑)。上越のみなさん、来年からはお屠蘇を飲みましょうね!
え?お前は上越出身なのに屠蘇散を知ってたのかって?
そりゃあ、もちろん!(妻と結婚した)10年前から知ってますとも( ̄^ ̄)エッヘン!!
なお、長男は宣言通り、屠蘇散探しの顛末を作文にまとめていました。