定員を上回る応募
7月29日(火)、『高校生のための裁判傍聴ツアー』を開催しました。
↑こちらのチラシにも書いてあるとおり、「定員15名」で募集したのですが、企画の2週間以上前に定員に達し、部屋に入れるぎりぎりの19人となった時点で受付を終了しました。初めての開催で「ほとんど応募がなかったらどうしよう」などと不安を感じていたので、多くのみなさんに参加していただけてよかったです。
また、『上越よみうり』『上越タイムス』『新潟日報』の記者の方が取材に来て下さいました。記事が掲載されたら追記したいと思います。
事前ガイダンス
裁判傍聴の前に、会議室で事前ガイダンスを行いました。
糸魚川ひまわり基金法律事務所の備酒貴也弁護士が、刑事裁判のルールや手続の流れについて説明しました。無罪推定の原則や起訴状一本主義などの基本原則についても、分かりやすく説明していて、感心しました。
裁判傍聴
その後、法廷に移動して、刑事裁判を傍聴しました。
対象事件は、「無免許危険運転致傷罪」でした。傍聴席がほぼ満席だったこともあり、裁判官も、検察官も、弁護士も、傍聴している人にもわかりやすいように、いつも以上に丁寧に対応して下さっているように見えました。
高校生達は、時折メモを取ったり、手元の資料で手続の内容を確認したりしながら、真剣な表情で傍聴していました。
質疑応答&感想交流
裁判が終わった後、会議室に戻って、質疑応答を行いました。事件を担当した裁判官もご参加くださいました。
質問が出るかどうか不安もありましたが、進行役の原野聖子弁護士が上手に進行してくれたこともあって、たくさん質問が出されました。
被告人の気持ちに感情移入して辛い気持ちになったりすることはあるか、良い弁護士と良くない弁護士の違いはどこにあるか、AIの発達が裁判や弁護士の仕事にどのような影響を及ぼすと思うかなど、興味深い質問も多く、裁判官や他の弁護士の回答を聞いて私自身も学べたことがありました。
最後に担当裁判官から高校生に向けてメッセージをいただきました。裁判官自身も高校時代に裁判を傍聴したことがきっかけで法曹を志したというエピソードを交えつつ、未来ある高校生達にエールを送る内容でした。気持ちがたっぷりこもっていたので、参加したみなさんにとって大きな励みになるのではないかと感じました。
参加した高校生の感想
参加してくれた高校生の感想をご紹介します。
- 裁判官、検察官、弁護人、全員かっこよかったです。全員、被告人にやってしまったことを反省してもらい、次また犯罪をしないようにしてもらおうという気持ちが伝わりました。裁判官も検察官もドラマとかのイメージより怖い感じがなくてかっこよかったです。
- 特に弁護士の方が素晴らしかったです。
- 初めて裁判を見て、被告人の前歴などを細かく調べていて、実際にその場で見たように感じた。裁判官が被告人に質問や説明をする際に、とても優しく声をかけていて素敵だと思った。
- 裁判官の方は冷酷そうなイメージがあったけど、とても優しそうな雰囲気で驚きました。丁寧に質問に答えていただき、ありがとうございました。
- とても興味深く、(家庭裁判所の調査官になりたいという)夢をより叶えたいという気持ちになりました。
- 私は感情を優先してしまうタイプなので、被告人の気持ちや立場を考えてしまい悪いことをした人なのにかわいそうだと思いました。裁判を見るまではそんなこと思ったことがなかったので、参加してよかったなと思いました。
- 現実味のある内容で、感情移入しやすかった。
- 被告人が入って来たとき、心が痛いなと感じました。私自身感情的になることが多く、その中でも冷静に判決をくだすことができるのはすごいなという印象を受けました。今後も機会があればぜひ見に行きたいと考えています。
- なかなか自分1人で裁判所に行く勇気はないし、聞いてもよく分からなそうだったので、今日とても分かりやすい説明のもと裁判を傍聴することができて良かったです。ありがとうございました。
- 初めて裁判を見て、被告人や弁護士、検察官の立ち位置や流れなどを理解できた。情報量が多く、難しい内容だったけれど、とてもためになる体験ができて良かった。
- 同世代で実際の裁判を見たことのある人はほとんどいないと思うので、貴重な体験をすることができたと思います。裁判の空気がはりつめていて緊張しました。家族に話したいと思います。
- 今回初めて裁判を傍聴してみて、実際の裁判というものがどういうものなのか見れて勉強になりました。また違う種類のも見てみたいと関心を深めることができました。
- ドラマとかで見るものとは全然違っていて、感じたことがたくさんありました。これを機にまた裁判を見たりしたいと思いました。勉強になりよかったです。
- 裁判というのはニュースやアニメなどテレビでしか知ることがなかったから「本当にやっているのかな」と思ったりもしていたけど、実際に見て身近に感じた。自分は証言台に立つようなことにはなりたくないなと思いました。
- 想像していたのと違う点があったので、新たな発見ができてよかったです。
- 裁判官の方たちから貴重な意見が聞けたのがよかった。できたらまた聞きたいです。
- とても良い経験になった。悲しくなった。興味がすごく高まった。弁護士になりたいと思った。
- チラシを見たときは参加しようか迷ったが、興味があったので参加した。参加して良かったと思った。
初めての試みだったのでどうなることかと思っていましたが、参加した高校生達が積極的に関わってくれたおかげでとても良い企画になったと思います。弁護士、裁判官、調査官など法律に関わる仕事に興味があるという高校生も多く、関心の高さを感じました。アンケートでは、傍聴ツアーにまた参加したい、弁護士との座談会を開催して欲しいなどの声も聞かれたため、次なる企画も検討したいと思います。
裁判官はじめ、裁判所の方々には様々な形でご協力をいただきました。本当にありがとうございました。