1 何度目!?
4年ぶり2度目
10月20日(土)、お隣の糸魚川市で憲法カフェをしてきました。糸魚川では、憲法カフェをはじめて間もない頃(2014年8月)に、能生地区公民館の方が主催して下さったとき以来の開催でした。
2週間で5度目
先月のブログを読んでいただくとわかるのですが、10月は、9日がメディア懇談会、12日が土地家屋調査士会の研修、14日が魚沼で憲法カフェ、19日が上越高校で特別授業ということで、講師役を務める機会が立て続いていました。今回の憲法カフェは、2週間で5度目の講師役ということになります。
実は私、人前で話すのがあまり得意ではないのですが、さすがにこれだけ続くと緊張する様なこともなく、(スーパーマリオでスターをとったときの様な)軽い無敵状態になっていました(笑)。
2 「憲法に自衛隊を書き込むだけなので、今と何も変わらない」は誤り
いろいろお話したのですが、核心部分は、安倍総理が繰り返し述べる「憲法に自衛隊を書き込むだけなので、今と何も変わらない」というのは、明確に誤りであるということです。
もし国民投票をするのであれば、憲法を改正することによって何がどう変わるのかということを、有権者が正しく理解・認識していることが最低限必要になります。多くの国民が誤解に基づいて投票し、憲法が改正された後になって「こんなはずではなかった」となってしまうのでは困りますので、この明らかな誤りについて語り広げることが、もっとも重要だと思っています。
語り広げるべきポイントは、以下の3つです。
ポイント1 「自衛隊を書き込むだけ」ではない
ポイントの1つめは、いま進められようとしている憲法9条の改正は、「自衛隊を書き込むだけ」ではないということです。
上のスライドの通り、自民党の条文イメージたたき台素案では、自衛隊は「必要な自衛の措置」をとることができるとされています。「自衛の措置」と言う場合、個別的自衛権の行使だけではなく、集団的自衛権の行使まで含まれますので、この条文案の様に何の限定もなく「自衛の措置」をとることができると規定すれば、いわゆるフルスペックの集団的自衛権の行使も可能になります。
つまり、この条文案の通りに憲法が改正されれば、「自衛隊を書き込むだけ」ではなく、「制限のない集団的自衛権の行使も可能になる」のです。このため、フレーズの前段部分は誤りです。
ポイント2 自衛隊は既に大きく変わっている
ポイントの2つめは、安保法制の施行によって自衛隊は既に大きく変わっているということです。
自衛隊の任務や権限は、上記の表の通り、「武力行使」、「後方支援」、「武器使用権限」という3つのレベルで大きく変わりました。
また、こうした任務を遂行したり権限を行使したりするために、司令部機能をもつ「陸上総隊」が創設されたり、日本版海兵隊と呼ばれる「水陸機動団」が新設されたりするなど、組織編制も大きく変わっています。
さらに、装備についても、「空母」や「長距離巡航ミサイル」など、従来は導入することが許されないとされていた攻撃型兵器の導入が次々に決定されています。
フレーズ後段部分の「今と何も変わらない」は、現在も着々と進行しているこうした自衛隊の大きな変化に目を向けづらくする効果を持っており、注意が必要です。
ポイント3 憲法に自衛隊を書き込めば大きく変わらざるを得ない
ポイントの3つめは、憲法に自衛隊を書き込むと、自衛隊のあり方は大きく変わらざるを得ないということです。
自衛隊は、創設以来ずっと「憲法に違反するのではないか」という疑念の目を向けられ続けてきました。憲法は、あらゆる局面で自衛隊に対するブレーキ(歯止め)の役割を果たしてきた訳です。
しかし、自衛隊が憲法に明記されれば、憲法違反ではないかとの疑念は生じにくくなり、ブレーキとしての機能はほとんど失われてしまいます。
逆に、憲法上に根拠を有する組織として、権威を持つ様になります。
つまり憲法は、自衛隊に対するブレーキ(歯止め)から、アクセル(権威の根拠)へと変わるのです。これによって、抑制的に扱われてきた自衛隊や防衛のあり方や位置づけが「大きく変わる」ので、フレーズの後段部分も誤りということになります。
できることから
最後に、アクションリストを紹介し、「それぞれの条件を活かしてできることから取り組みましょう」と呼びかけました。参加者はご高齢の方が多かったですが、みなさんの表情にやる気がみなぎっているように感じました。
3 おまけも3つ
鈴木元市議のブログ
当日の司会をしてくれた鈴木さんは、長年、糸魚川の市議会議員をしていらっしゃった方です。
ブログ「日々雑感」を文字通り毎日更新されているので、「あれはすごいですね。大変じゃないですか?」とお尋ねしたところ、1日あたりのアクセス数が数百もあってそれが励みになっているというお話を聞いてさらに驚きました。
おみやげ
そんな鈴木元市議から、「家で待つお子さんに」と、おみやげの洋菓子セットをいただきました。
糸魚川ひまわり基金法律事務所開設記念の集い
この日は、ちょうど「糸魚川ひまわり基金法律事務所」の開設記念の集いがあったため、憲法カフェ終了後にそそくさと会場のホテルに移動。日弁連会長、糸魚川市長、国会議員等、約100人が参加する盛大な集いで刺激や元気をもらい、帰路に就きました。