伊藤真さんの憲法講演会『日本国憲法から考える安全保障』


5月11日(土)、新潟県弁護士会の主催で、伊藤真さんの講演会が開催されました。

憲法と安全保障の問題を多角的・多面的に掘り下げ、これ以上ないほどわかりやすく語る、素晴らしい講演でした。伊藤真弁護士の熱い語り口と説得的な内容に元気と活力をもらった参加者も多かったのではないかと思います。概要をご覧いただければわかりますが、90分の講演とは思えない程の情報量に圧倒されました。概要をまとめる中で気づいた点も多くありました。

講演の冒頭で、日弁連が作成した動画『自衛隊や自衛の措置を憲法に書き加えても何も変わらないって本当?』を放映しました。憲法9条改正問題の要点が9分弱にまとめられていて、おすすめです。

講演の概要は以下のとおりです。手控えメモに基づいてまとめたものなので、一部不正確なところがあるかも知れません。また、見出しは便宜上私がつけているものもあります。

目次

はじめに

安全保障は、私たちの生活や命に関わる問題。自分の頭で考え、みんなで議論することが大切。政治家任せではなく自分たちの問題として考える必要。今年の5月3日は、77年目の憲法記念日。有明の集会には3万人以上が集まった。先日新潟で講演をされた猿田佐世弁護士も登壇した。私からは、憲法を活かす政治をということと、9条は現実的な選択なのだということをお話した。

岸田総理は、安保三文書について「憲法の範囲内」「平和原則はいささかも変わらない」などと言うが、実際は大転換。憲法改正にも前向きな姿勢を示している。5月3日のビデオメッセージでも、「果断に見直し」「発議見据えた議論」「先送りできない重要な課題」などと強調した。

日本国憲法前文1項では、憲法を確定する主体が日本国民であること(「日本国民は・・・この憲法を確定する」)、自由と人権を確保し(「自由のもたらす恵沢を確保」)、平和を実現する(「政府の行為によって再び戦争の惨禍が起こることのないやうにする」)という2つの目的に基づき、「われらの子孫のため」に憲法を制定したことが明記されている。

  第1 この国のかたちが変わってきている

1 無関心でいるうちに

雑誌『TIME』(2023年5月12日発売号)の表紙に岸田総理の写真が掲載された。そこには「日本の選択 岸田首相は何十年の平和主義を捨てて、彼の国を真の軍事国家にしたいと思っている。」と記載されていた。

麻生副総裁は、2013年7月29日の講演で、「誰も気づかないで変わった」ナチスの手口に学んだらどうかと述べた。2023年8月8日の講演では、台湾のために「戦う覚悟」が求められていると言った。

今年の憲法記念日の報道各社の世論調査では、憲法改正、9条改正とも「賛成」が「反対」を上回るものが多かった。2022年12月の「敵基地攻撃(反撃能力)」保有に関する調査でも「賛成」が多数となっている。ウクライナ戦争の影響があるものと思われる。

「敵基地攻撃能力」を「反撃能力」と言い換えるのは不適切。実際は先制攻撃になる危険が高い。
抑止力というのは、要するに威嚇。仮想敵国は核兵器保有国ばかり。本当にミサイルを撃ち込めるのか。仮に撃ち込めば全面戦争になっていく。GDP比2%に増やせば、軍事費は世界3位となる。1人当たりのGDPは、G7最低なのに。「国のかたち」の大転換だが、議論は財源論ばかり。主権者を無視するもので、立憲主義に違反する。

2 岸田政権の政策決定の特徴

(1)内容が憲法無視

政策と憲法を切り離しながら、憲法無視の政策を次々に進めている点で、立憲主義違反と言える。

・憲法9条無視  安保法制、安保三文書、武器輸出等日米軍事一体化
・憲法13条無視 選択的夫婦別姓、同性婚などジェンダー問題
・憲法20条無視 自衛隊幹部による靖国参拝等放置
・憲法23条無視 日本学術会議の法人化
・憲法25条無視 生活保護、年金引き下げ等

(2)手続きが非民主的

手続面で非民主的手法を多用している点にも問題がある。

・議会制民主主義の手続きを軽視(閣議決定先行、国会審議を軽視)
・憲法制定権者(主権者)の意思を無視(実質改憲の安保法制を継承)
・憲法改正国民投票法の欠陥を放置したままでの改憲意欲

  第2 2つの戦争の教訓と憲法の平和主義

1 2つの戦争

(1)ウクライナ戦争

ロシアによる軍事侵攻は、国際法違反であり正当化できない。常任理事国が国連憲章を破って、核の威嚇を行うというのは、戦後秩序と全人類への挑戦。そのような状況下でも、あくまでも法の支配を主張し続けることが重要。

(2)ガザ戦争

報道だけを鵜呑みにしないことが大切。2023年10月7日よりも前、2022年や2023年にも、イスラエルによるガザへの攻撃は繰り返されてきた。

2 2つの戦争からの教訓

軍事力を増強しても、抑止は失敗する(ウクライナもイスラエルも高い軍事力を備えていたが、攻撃を受けている)。軍事力では何も解決しない

戦争に備えるのではなく、戦争を回避することこそが重要。攻撃されたときの防衛以上に、攻撃されないための「安心供与」が重要。

日本は、一方に肩入れするのではなく、あくまでも停戦を求めるべき。力ではなく、法によって解決する方向をめざすべき。

3 改めて憲法前文と9条の意義と重要性を再確認

憲法9条1項は世界標準。一切の戦争を放棄した9条2項こそ重要。

前文2項「平和を愛する諸国民(Peace loving peoples)の公正と信義に信頼」。「全世界の国民が」平和的生存権を有すること。
前文3項「いづれの国家も、自国のことのみに専念して他国を無視してはならない」
前文4項「全力をあげてこの崇高な理想と目的を達成することを誓う」

  第3 憲法は何のためにあるのか

1 多数意見にも歯止めが必要

なぜ法律に従うのか。多数の人の意見に従っているから(手続きが正しい)。それでは、多数意見は常に正しいのかと言えば、答えはNO。人間は、情報操作、雰囲気、目先の利益に惑わされ、間違いを犯すことがある。

ヒトラーは、『わが闘争』で「大衆の理解力は小さいが、忘却力は大きい」と書いた。

また、ヘルマン・ゲーリング元帥は、「人々を従わせるのはどんな政治体制であろうと常に簡単なことです。・・・われわれは攻撃されかかっているのだと煽り、平和主義者に対しては「愛国心が欠けているし、国を危険にさらしていると非難すればよい。」と言う。ここには「安心保障」の危うさが端的に示されている。安全(客観的)と安心(主観的)を区別する賢さを持つことが大切

多数意見が常に正しい訳ではないから、多数意見にも歯止めが必要。多数意見でも奪えない価値をあらかじめ決めておくのが憲法。

2 立憲主義と民主主義

政治権力を憲法で縛るというのが立憲主義。これは近代国家の世界標準。
民主主義社会では、多数派による民意を反映した政治権力にも歯止めをかけるという意味を持つ。つまり、民主主義はアクセルで、立憲主義がブレーキという関係。

憲法で国家権力を制限する目的が、人権を保障するためであるというのは近代国家に共通する。
さらに、戦争をさせないことを目的とした点に、日本の立憲主義の特長がある

99条の憲法尊重擁護義務は、公務員に課されたもの。本来、国民には憲法を守る義務はない。政治家などに守らせる責任があるだけ。憲法12条は「国民の不断の努力」を規定。公務員に憲法を守らせるために主体的に行動することを、国民に求めている。最後は市民の力。主権者意識、憲法意識が重要。

  第4 日本国憲法制定の経緯と大切な価値

1 日本国憲法制定の経緯

(1)近代日本の歩み

伊藤博文は、枢密院での明治憲法草案の審議で、憲法の精神は、君権を制限し、臣民の権利を保護するところにあると答弁した。

戦前の国家統治には、「国体」思想(家族的全体国家主義)と立憲主義的要素(外見的立憲主義)の対抗という側面があった。

(2)日本国憲法制定の経緯

1868年の明治維新以降77年間戦争しつづけた戦前の日本と、日本国憲法施行から77年間戦争しないできた戦後の日本。

戦前への反省から、神権的「国体」思想を否定。「神権天皇」「軍隊」「宗教」の三位一体を解体して、「象徴天皇」「9条」「政教分離」を定めた
また、個人の尊重を基礎とした真の意味での立憲主義を確立した。

ところが、戦前の日本がよかったと思う人たちが、日本国憲法を攻撃し、明治憲法の価値を復活させようとしている。

(3)17条の憲法

しかし、本当に明治憲法が日本の文化・伝統なのか。「17条の憲法」が当時の官僚に命じている内容を見てみると、むしろ日本国憲法の価値と通底するものが多く含まれている。

1条  平和に話し合いで解決する
7条  権限濫用の禁止
10条 個人の尊重
12条 租税法律主義
17条 議論の重要性

2 日本国憲法の大切な価値

(1)大日本帝国憲法から日本国憲法への転換

「国家」のための「臣民」から、「個人」のための「国家」へ。目的と手段が入れ替わった。
では、社会における国民・市民の意識の転換は実現したか。

(2)日本国憲法の根本価値

憲法13条前段「すべて国民は個人として尊重される」
一人ひとりの「個人の尊厳」を尊重する。その「個人の個性」(多様性)を尊重する。

人はみな違う(個として尊重)→多様性。違いを認め合って共生できる寛容な社会を目指す。
人はみな同じ(人として尊重)→包摂性。一人ひとりの存在自体に価値がある。個人の幸せのために国がある。

憲法13条後段。幸福追求権。誰にも価値があり、幸せになる権利を持つ。自分の幸せは自分で決める(自己決定権)。それを追い求める自己実現のプロセス(過程)を、人権として保障。

社会は多様な人から成り立っているから、異質な他者との共存を目指すことが重要で、そこに立憲主義の本質がある。

  第5 戦争の歴史と憲法

1 憲法13条と平和

一人一人のかけがえのない個人の命を、国に戦争の道具として使わせない。
戦争は最大の人権侵害であり、最悪の環境破壊。だから、戦争をしない。
外国とも共存の道を最大限追求する。違う価値観の国でも、武力で排除することで解決しない。あくまでも対話と協力による共存を目指す。

13条の延長線上に9条がある。憲法13条も憲法9条も理想。その理想に向かうプロセスが重要。憲法は未完のプロジェクト。

2 戦争の位置づけの変遷

17世紀     :グロチウス的戦争観。戦争は国際紛争の解決手段(決闘としての戦争)
19~20世紀初頭:無差別戦争観。決闘に勝った方が正しい。軍事同盟の強化が重要。
第一次世界大戦  :軍事同盟同士の衝突で悲惨な結果。
第一次世界大戦後 :国際連盟と不戦条約。軍事同盟から集団安全保障へ。自衛戦争はOK。
第二次世界大戦後 :国連憲章。集団安全保障。戦争違法化。

  第6 日本国憲法の平和主義とその転換

1 政府解釈の変遷

(1)憲法の基本的考え方

旧政府見解は、個別的な自衛権のみ行使可能としていた。

集団安全保障と集団的自衛権はまったく違う。集団安全保障は、特定の敵を想定せずに協議の場を作り、協力して安全を保障する政策。集団的自衛権は、同盟の外の敵を想定して、抑止力に依存する軍事同盟政策。つまり、体制内の国家への信頼を基礎とするのが集団安全保障。体制外の国家への不信を基礎とするのが集団的自衛権。

安倍政権による解釈の変更。山本庸幸著『元内閣法制局長官・元最高裁判所判事回想録』(弘文堂)に詳しい。「近代国家の礎は、立憲主義に基づく法治国家の理念にある」「確立した憲法9条の解釈をかくも安易に、まるで手のひらを返すように軽々しく変えてよいものか。これでは、立憲主義や憲法規範というものが、全くないに等しいではないか。」

(2)武力行使の新三要件

第1要件の「明白な危険」の有無は、時の政府の判断であり、何の歯止めにもなっていない。実際には、日本政府ではなくアメリカの判断となるのではないか。

集団的自衛権行使を認める解釈変更は、明白な憲法違反。石川健治東大教授は、「法学的にはクーデター」と指摘。

2 安保法制施行後の状況

(1)日米共同演習

自衛隊が地球規模の米軍支援を行うことが常態化。日米共同演習は、自衛隊がアメリカの盾になり剣になる訓練。

アメリカは、アメリカの軍事目的のために自衛隊を利用しているだけ。台湾有事で戦場になるのは、台湾と日本。米軍関係紙『STARS AND ATRIPES』では、沖縄の基地は中国との紛争で「生き残れない」と報じられている。

(2)武器輸出解禁

殺傷能力ある武器の第三国輸出を解禁。世界の紛争を助長するおそれ。

(3)日米首脳共同声明

安全保障分野で強調されたのは、「グローバル・パートナーシップ」と、「作戦及び能力のシームレスな統合」。

経済安保推進法、重要経済安保情報保護・活用法案、武器輸出三原則・運用基準の改定。これらが一体となって、日米間で最先端軍事技術の開発、共有、生産が可能になる。

3 自衛隊と靖国神社

戦前は、「軍隊」「宗教」「天皇制」の三位一体で戦争を遂行。戦後はそれから脱却したはず(憲法9条、20条、1条)。

帝国軍人が多く採用された警察予備隊からはじまった自衛隊。精神性も含めて戦前との決別ができていないのではないか。

4 本気で戦争する国になるのなら

本気で戦争する国になるのなら、改憲論議をしっかりして、国民の意思で変えていく必要がある。国民的議論に基づく改憲をせずに防衛政策を大きく転換することは、立憲主義に真っ向から反する。

現実問題として、原発を維持したまま専守防衛を捨てることが安全保障の強化になると本気で考えているのか。今、国民の覚悟が問われている。

  第7 憲法9条について考える

1 戦争の実態を知っておくことが大切

「戦争とは狂気への扉である」「人間は本来のその人ではなくなる」「戦争そのものが大なり小なり非人間性、残虐性をどこかで求める」
島本慈子著『戦争で死ぬ、ということ』(岩波新書)

軍隊は国民を守るための組織ではない。これは軍事の常識。
潮匡人著『常識としての軍事学』(中公新書ラクレ)。栗栖弘臣著『日本国防軍を創設せよ』(小学館文庫)。

米海兵隊の新兵訓練の目的は、人を殺せるようにすること。帰還兵の自殺者は、戦死者よりも多い。イラクに派遣された自衛隊員も、帰還後に21人が自殺した(北海道新聞2023年4月28日付)。PTSDによる睡眠障害、ストレス障害は全体の1~3割。

戦争とは人を殺し、殺されること。勇ましい言葉や宣伝に惑わされないことが大切

2 日本に期待される国際貢献は

軍事力だけが国際貢献ではない。

  • 非戦と非核、軍縮を国内外で積極的に推進すること
    核・生物・化学兵器の全面禁止
  • 紛争後の復興支援
    武装解除、インフラ整備、農業支援、財政援助、教育支援、法整備支援など
  • 紛争の原因除去のための積極的活動
    飢餓、貧困、疾病、災害、人権侵害、環境破壊、経済と教育の格差などの構造的暴力をなくしていく(人間の安全保障の推進)

  第8 日本周辺国との関係をもとに安全保障を考える

1 北東アジアの国際関係

(1)北東アジアの国際関係の特徴

  • 冷戦時代の分断と対立が強く残存
  • 核兵器国の存在(中ロ北朝鮮)
  • 領土紛争
  • 歴史問題
  • 地域的安全保障の枠組みがない

(2)対応のポイント

  • 日本が侵略される可能性と蓋然性を区別すること
    不安や心配と現実の危険性を区別する。
    抑止力という主観的で不安定な概念に惑わされない。
  • 味方を作るのではなく、敵を作らない外交
    米軍に見捨てられないようにする対米従属は危険。
    「安心供与」によって紛争の原因をなくすこと。

2 軍備増強と同盟の問題点

軍備増強も同盟も、その目的(意図)が相手国からは推測困難な場合がある。相手国の不安を増大させることなしに、自国の不安を払拭することはできない。抑止力の強化は安全保障のジレンマを生む。

不合理な戦争が起こるのは、以下の2つの原因がある。

  1. 威嚇の説得力が不足して、抑止の失敗により戦争が起こる
    これを回避するために軍備を増強すると、先制攻撃の不安を与え、安全保障のジレンマを生む
  2. 安心供与の約束の説得力が不足して、相手がこちらの意図を誤解して戦争が起こる
    これを回避するために、安心供与の説得力を高める方法で対処する

3 安心供与(reassuarance)

戦争の原因は、恐怖・欲望・名誉。同意なき現状変更は自制すると約束して、自国に対する現状変更の動機を与えない。

日本はこれまで77年間、安心供与政策によって安全を守ってきた。憲法9条、専守防衛、自衛隊海外派遣禁止、防衛費1%枠、非核三原則、武器輸出禁止、学問技術の軍事転用禁止など。

安心供与の説得力を増す政策が必要。専守防衛に徹する、防衛費GDP枠の徹底、武力行使のハードルを上げる法規制強化、過去の戦争責任についての謝罪と賠償。こうした政策を推進するために憲法9条は重要な役割を果たす。

4 戦争へのハードルをいかに上げるか

(1)武力行使をすればコストがあがることを国民と政治家が自覚すること

  • 戦争被害を具体的に知り、自分事として想像する。
  • 事後的な検証により政治責任を問われうることを明確にする。
  • 司法的統制(違憲審査の対象となること)があることを政治部門に覚悟させる。
  • 戦争犯罪の処罰と、戦争被害の補償によるコストを負担する認識を持たせる。

(2)武力行使による国民負担の増大

  • 税負担、社会保障削減は必至。
  • 全国どこでも攻撃されるリスクがある(サイバー攻撃、テロ、原発被害など)。
  • 徴兵制導入も最終手段か。

5 我々にとっても大切なこと

  • 相手の立場に立って考える。想像力を働かせ、一歩先を具体的に考える。
  • 戦争の悲惨な現実を知る。
  • 武力行使はさらに重大な問題を引き起こす。軍事力によって問題は解決できない。

  第9 私たちがすべきことは

1 どちらが楽観主義・お花畑なのか

現実主義を標榜する人は、現実の一部を自分たちに都合良く選んで主張しているだけではないか。私たちは、「それとは違う現実」があることを知る必要がある。

軍隊は国民を守るものだと思う楽観
抑止力を高めたら相手は必ず従うという楽観
戦争すれば勝てる、または被害はないと思う楽観
攻められても原発は標的にならないと思う楽観
敵を作ってもテロの標的にはならないと思う楽観
戦争になっても犠牲になるのは自衛官だけだと思う楽観
軍事費が増大しても国民の福祉や社会保障に影響ないと思う楽観
日本の政治家には米国の要求を拒否できる能力があり、軍需産業の意向や利権などには左右されないと思う楽観
戦前失敗した軍事力の統制を今の政治家ならできると思っている楽観

2 今私たちがなすべきこと

(1)私たちに必要なこと

この国をどんな国にしたいのか、私たち自身が覚悟を決めること。
萎縮しないで声をあげる。職場、家庭、学校、地域で話題にし続ける。
戦争の悲惨さ、自分の生活がどう変わるかということへの想像力(イマジネーション)

(2)自立した市民を目指そう

自立した市民にならないと損をする。自立した市民として賢く生きるために学び続けること。自立した主体的に生きる市民。自らの意思で学び、考え、行動し、社会にかかわる。物言う口うるさい民。

非立憲国家の為政者は愚民を歓迎する。誰かに任せ、物言わぬ従順な民。

(3)他国から学べることと日本の独自性

憲法教育(主権者教育、市民教育)を学校、家庭、職場、地域などで多層的に取り組み、憲法9条が現実的選択であることの理解を広げる。

国民の意識。憲法13条の延長線上に9条があることの理解を深め、広げる。

おわりに

  1. 明日の日本は今日の私たちが創る
    憲法の理想に現実を近づけることこそ必要。
  2. 今を生きる者としての責任を果たし、誇りを持つ
    市民として主体的に行動する。連帯の力への確信。
  3. Festina Lente(ゆっくり急げ)
    あわてず、焦らず、諦めず。一歩一歩が大切。