県立看護大の研修のご縁で
7月10日(水)、長岡崇徳大学で、教職員のみなさま向けに、ハラスメント防止研修の講師をしてきました。5年前に創立されたばかりの新しい大学です。
以前、県立看護大学で同様の研修をさせていただいたことがあったのですが、そのとき同大学の副学長だった先生が長岡崇徳大学に異動され、「ハラスメント研修ならぜひ田中弁護士に」とプッシュして下さったようで、今回の研修を担当する運びとなりました。
全体の構成
そのような経緯があったのと、研修の時間が90分と比較的長めの設定だったことから、充実した内容の研修にしなければと、準備にも気合が入りました。
以前の研修で使ったものをブラッシュアップしたり、新たに付け加えたりしながら内容を組み立て、以下のような順序でお話することにしました。
開始前の懇談
研修をはじめる前に、学長、学部長、教授のお三方と懇談させていただく時間がありました。学長はとてもきさくな方で、ご自身の来歴などをざっくばらんにお話し下さったので、緊張がほぐれました。
私を講師にと推して下さった学部長の先生は、「以前県立大学で研修をしていただいた後、教員の意識が大きく変わって学内の雰囲気もよりよくなったので、この大学でもぜひお願いしたいと思ったんです。」とお話しくださいました。また、大学の特徴などもご説明下さったため、明確なイメージを持って研修に臨むことができました。
自分事として捉えてもらうために
研修ではできるだけイメージしやすいように、具体的な事例を交えながらお話しました。いじめ予防授業についても同様のことが言えるのですが、事例を検討しているとどうしても第三者的・評論家的な目線になってしまいがちです。出てくる人物の行動はどこがよくなかったのか、どうしていればよかったのかを考えることももちろん大切ですが、それだけで終わってしまうと研修の実はあがりません。
建前論や綺麗事で終わらせずに、現実に引き付けて自分の問題として捉えてもらうためには、ほどよい頃合いで、「では自分ならどうしますか?」「そうすることは本当に可能でしょうか?」「同じような場面であなたはこれまでどのように行動してきましたか?」といった問いを投げかける必要があります。その視点の切り替えのタイミングや持って行き方が、この種の研修のキモではないかと考えています。
質疑の際に出された質問がどれもかなり具体的な質問だったので、今回はその転換が上手くいったのではないかと思っています。
今後も
ハラスメント研修をするのはおそらく3年ぶりくらいでした。その間に本を読んで学んだり、いじめ予防授業や人権教育の授業をしたりしたことを通じて、自分自身の認識も大きく変わってきたことを改めて感じました。インプットとアウトプットをバランスよく繰り返すことで頭が整理されるので、今後もご依頼があればできる限りお応えしていきたいと思います。