上越教育大学の研修
7月31日(水)、上越教育大学の教職員と学生(約200人)向けの研修講座で、「ハラスメント防止」についてお話してきました。
上越市の男女共同参画推進センターが実施している出前講座に、上越教育大学から講師派遣要請があり、同センターから私のところに講師依頼があったという流れ。これまでにも、2018年5月と12月にハラスメント関連講座を担当したときと同じ制度を利用したものです。
具体的事例をもとに
全体の話の流れは、こんな感じ。
最初に前提知識を確認したうえで、具体的な事例をもとに、対応策などを考えてもらう構成にしました。
果敢なノリ突っ込み
冒頭で、聞いたことがあるハラスメントを挙げてもらおうと思ったのですが、思っていたより反応が薄く、こちらががんばってほぐしていかなければならない展開に。それでも女子学生さんが手を挙げて答えてくれてから、徐々に反応がではじめました。
「スモハラってなんのことかわかりますか?」と投げかけたときに、「すもう?」という声が聞こえたので、「そうですね。相撲ハラスメント。見たくもない大相撲の観覧を強要されるといやですもんね。いやいやそんなはずないでしょ。」というノリ突っ込みをしたりして、会場を温めました(笑)。
いろいろな行為をハラスメントと呼ぶ風潮について、「ハラスメントに対する認知が広がるという意味ではよいのかも知れませんが、ややインフレ気味な感じがあり、かえって問題の本質や深刻さが伝わらなくなる気もします」と言って、内容に入りました。
ハラスメント規制法と禁止条約
セクハラ・パワハラ・アカハラの定義、分類、類型などを紹介したうえで、法規制について説明。
そして、今年5月に成立したハラスメント規制法と、6月に締結された禁止条約について、比較しながら話しました。
キャンパスセクハラとアカハラの具体的事例
はじめに考える視点を提示したうえで、キャンパスセクハラとアカハラのそれぞれについて、具体的事例を紹介。
裁判所の判断のポイントを説明したうえで、「加害者にならないために気をつけるべきこと」、「被害者になったときの対応」、「被害者救済と加害者に対する処分」のそれぞれについて説明しました。
ハラスメントの本質は人権侵害
あらゆるハラスメントに共通しているのは、相手の人格や尊厳を軽く見ているという点にある。大学では、「ともに学ぶ人を、人間として、仲間として大切にする・尊重する」ということが重要だと思うということをお話して、講演を終えました。
今回の講演を準備するなかでアカハラに関わる裁判例を調べてみて、被害者が自殺まで追い込まれているケースが多いことを知り、衝撃を受けました。ゼミや研究室など、極めて狭くかつ圧倒的に力の差がある、特殊な人間関係のなかで行われるハラスメントが、被害者をどれほど追い詰めるのか、その深刻さを痛感しました。
終了後に恩師が
終わった後に、なんと私が中学生だったときの担任の先生が声をかけて下さいました。現在、特任教授として大学に在籍していらっしゃるとのこと。まさかいらっしゃっているとは思っていなかったのですごく驚きました。もし事前に知っていたら意識してしまい、果敢なノリ突っ込みなどは出来なかったと思うので、お声がけのタイミングが開始前でなくてよかったと心から思いました(笑)。
準備の過程で勉強になったことがたくさんあったので、こういう機会があればまたチャレンジしたいと思います。お気軽にお問い合わせください。