柏崎刈羽原発差止訴訟・第12回口頭弁論期日


9月18日、柏崎刈羽原発差止訴訟の第12回口頭弁論期日が開かれました。

1 原告側の意見陳述

(1)伊東良徳弁護士

伊東良徳弁護士は、原告ら準備書面(34)の要旨を、パワーポイントを用いて陳述しました。

12039409_1663760100538628_7227373909654954896_n(写真は報告集会のときのもの)

この準備書面のポイントは、
福島第一原発1号機のIC(非常用復水器)配管が、
地震により損傷したかどうかという点にあります。

原告側は、以下のような事実経過であったと主張しています。

  1. 地震によりIC配管が損傷
  2. 損傷箇所から原子炉建屋4階に水素が流入
  3. 原子炉建屋4階で爆発が発生

これに対し、被告は、原子炉建屋4階では爆発が起こっておらず、
4階の損傷は5階からの爆風によるものであると反論しています。

伊東弁護士は、原告の主張の根拠として、以下の3つの点を指摘しました。

  • 4階の損傷には、5階からの爆風では考えられないものが、数多くあること
  • 高温の水蒸気も4階に到達していること
  • IC配管が損傷していると思われる画像があること

以上のことからすれば、IC配管が(地震により)損傷したことは明らかです。

そうすると、従来の耐震設計では、東日本大震災と同程度の地震が発生した場合に
IC配管が壊れてしまうということになりますので、耐震設計を根本的に見直す必要があります。

(2)内山成樹弁護士

内山成樹弁護士は、被告の地震動想定の方法に問題点があることを指摘しました。

12049488_1663760143871957_2514098248741211616_n(写真は報告集会のときのもの)

原発の耐震設計は、様々な手法に基づき、基準となる地震動を策定するところからはじまります。
この手法には、大きく分けて、以下の2つの方法があります。
1 震源を特定して策定する方法
2 震源を特定せずに策定する方法

1の震源を特定して策定する方法は、さらに以下の2つに分けられます。
・応答スペクトルに基づく手法
・断層モデルを用いた手法

内山弁護士は、これらの手法のそれぞれについて説明しながら、
無視できない誤差があるにもかかわらずそれを無視したり、
策定の基礎となる指標のうちのいくつかを恣意的に操作することによって、
基準となる地震動が意図的に小さく定められていることを、具体的に指摘しました。

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詳しく理解したい方は、内山弁護士の著書を是非ご覧ください。

(3)原告・大嶋利子さん

原告の大嶋利子さんは、沖縄県久米島にある保養施設を訪れた経験を語りました。
チェルノブイリ原発事故後、ベラルーシでは子どもの被曝線量を軽減させるために、
国家プロジェクトとして保養所がつくられたのに対し、
日本では、民間で寄付を募りながら運営しているのが現状だということです。

12047038_1663760073871964_441278955955130074_n(写真は報告集会のときのもの)

また、柏崎刈羽原発は、中越沖地震で被災した原発であること、
自然災害は人間の想像を遙かに超えるものであり
原発は「不安なエネルギー」となっていること等から
原発の再稼働は、自ら災いを招くものであって、到底認められないと強調しました。

2 報告集会

和田光弘弁護団長、原告の大嶋利子さん、伊東良徳弁護士、内山成樹弁護士から
それぞれお話がありました。

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詳しくは、以下の動画をご覧ください。