「2019じょうえつ 平和のための戦争展」での講演(沖縄基地問題)


プレッシャーを感じながら、、、 

10月13日(日)、「2019じょうえつ 平和のための戦争展」で講演をしてきました。
この戦争展では、例年、パネル展示とあわせて講演やシンポジウムが行われています。昨年は、篤子弁護士がパネリストの一人としてミニシンポジウムに参加しましたが、今年は私の方にお声をかけていただきました。

今年は、2日間のパネル展示と講演会で、私は2日目の講演担当でした。
1日目の講師である立石雅昭先生は新潟大学の名誉教授。原発の敷地にかかる断層の調査などにも取り組んでいらっしゃる地質学の専門家です。辺野古新基地の断層や軟弱地盤についての調査報告をしてくださる予定でしたが、台風の影響で急遽「延期」となりました。日程を再調整して実施されるとのことですので、楽しみにお待ちください。

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尊敬する偉大な先生と並べて自分の名前が書かれているチラシを見て、大変なプレッシャーを感じながら準備を進めました。

「つかみ」を忘れる

そのプレッシャーのせいかどうかはわかりませんが、先日のブログで「つかみが重要」と書いたばかりなのに、用意していたつかみを冒頭で話し忘れるという失態を演じることとなりました(笑)。

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当日お話させていただいた内容は、こんな感じです。

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メインテーマは辺野古新基地が必要なのかという点について、抑止力の観点から考えるということでしたが、前段部分で歴史的な経緯や様々な角度から見た在沖米軍基地の問題点について、クイズを挟みながらお話しました。

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海兵隊の実態と抑止力

在沖海兵隊が1年の半分以上日本を留守にしていること、海兵隊が軍事訓練だけではなく人道支援や災害救助の活動もしていること、米軍再編で実力部隊の大半は国外に移転し沖縄に残るのはごくわずかであることなどを、資料をもとに説明しました。

そのうえで、日本政府が言っている「建前」が現実離れしていること、アメリカ(政府や軍)が考えていることとも大きくかけ離れていることなどをお話しました。

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準備するなかで新たに知ったり、自分自身の誤解に気づいたりしたことがたくさんありました。その過程で感じた驚きや憤りなども含めてそのまま参加された方にお伝えし、みなさんと共有することができてうれしかったです。

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終わった後に 

終了後、ご年配の女性の方が直接感想を伝えに来てくださいました。その方は、「長年9条の会の活動してきて、安保条約反対、憲法9条守れということを当たり前のこととして言い続けてきたけれども、そういうことを言うだけでは、思考がそこで止まってしまう。今日のお話を聞いて、もっと柔軟な姿勢で、いろいろな事実に目を向けたり、いろいろな人の意見に耳を傾けたりして、しっかり自分なりの考えを深めていく必要があるなと感じました。」とおっしゃっていました。

その方の謙虚で真摯な姿勢に触れて感動するとともに、私の話をそんな風に受け止めて下さったことに恐縮してしまいました。私からは「長期間粘り強く取り組みを積み重ねていくことは大変重要で、かけがえのない価値があると思います。それと同時に新しいことにも目を向けていく柔軟さも持つというのは、すごく難しいですけど大切なことですよね。」というようなことをお話しました。

今回も講演を通じて理解を深めることができました。引き続き講師活動には積極的に取り組んでいきたいと思います。

参考書籍

今回の講演を準備するにあたり、書籍や論文、新聞記事などを参照しましたが、中でもこの2冊はとりわけ参考になりました。オススメです!
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『虚像の抑止力 沖縄・東京・ワシントン発 安全保障政策の新機軸』新外交イニシアティブ編、柳澤協二・屋良朝博・半田滋・マイク モチヅキ・猿田佐世著(旬報社)

『辺野古問題をどう解決するか 新基地をつくらせないための提言』新外交イニシアティブ編、柳澤協二・屋良朝博・半田滋・佐道明広・猿田佐世著(岩波書店)