何だかよくわからなくなっちゃった
10月19日(木)、お隣の柏崎市で開催された憲法カフェに行ってきました。
会場は以前もおじゃましたことのある、THE古民家カフェの「茶のみ亭 おおや」さん。
直前に開催が決まったのでどうなることかと思いましたが、初参加の方お二人を含む、10人くらいの方が参加してくれました。生後数ヶ月の赤ちゃんを連れて参加した方も複数いらっしゃり、関心の高さを感じました。
タイトルは「なんだかよくわからなくなっちゃった・・・けど選挙にはいかなきゃな~というオトナのための『憲法カフェ』」です。
昨日、内容の準備しながら、こういう気持ちの人多いんだろうな~としみじみ感じました。
大まかな流れのおさらい
ということで、今年に入ってからの流れを簡単におさらいするところからはじめました。
年頭から、総理が「憲法改正を~」と言っていて、
憲法記念日(5月3日)には、読売新聞単独インタビュー+集会でのビデオメッセージで、憲法を改正して2020年に施行できるようにしたいと言って、
その後、森友学園とか加計学園とかの問題がでてきて内閣支持率も下がって、いよいよ政権がもたないか、というところまで行ったけれど、
8月と9月に、北朝鮮のミサイル発射があって、内閣支持率が回復してきて、
民進党の代表選挙があって前原さんが選出されて、
臨時国会冒頭で解散という話がでてきて、
9月終わりに希望の党ができて小池さんが代表になって、民進党が事実上解党して、
臨時国会冒頭で衆議院が解散になり、
希望の党が、民進党議員全員を受け入れず、選別・排除するらしいことがわかり、
立憲民主党ができて、選挙が公示され、、、
というように、簡単におさらいするだけでも、軽く混乱します。はい。
解散権の濫用×小選挙区制の弊害=選挙の機能喪失
野党第1党が、代表選挙の直後かつ衆議院総選挙の直前に、事実上解党するって、ほんとにトンデモないですよね。野党第1党ということは、それだけ多くの人が投票した訳で、その人たちが選挙でどの政党に入れたらよいのか困ってしまうという事態になる訳で。
どうしてそんなことになってしまうかと言えば、
①「解散権は首相の専権」という誤った理解がまかり通っているために、政府・与党に有利なタイミングでの解散が事実上可能となってしまっていることと、
②選挙区で1人しか当選できない小選挙区制のもとで、国会議員の多くはなんとか当選するためにどうするかということを考えざるを得ない状況におかれていることが、
大きな要因なのだろうと思います。
解散の権限は、内閣総理大臣ではなく内閣に帰属していますし、政府・与党に有利なタイミングで解散するようなことは認められていません。今回の様に、解散の理由をまともに説明できない場合には、解散権の限界を超えた濫用的な解散であると言えるでしょう。
小選挙区制の弊害については、長らく指摘されてきたことではありますが、今回ほどその問題点がわかりやすく示されたことはなかったと思います。与党に有利な、つまり野党に不利なタイミングで解散・総選挙が実施されるなかで、1人しか当選しない選挙を勝ち抜かなければならないというのは、特に野党議員にとっては相当に大きな負担です。民進党の場合、直前の東京都議選で惨敗を喫していることもあり、そのプレッシャーは大変なものだったであろうことが容易に想像できます。
選挙というのは言うまでもなく、政治に主権者である私たちの声=民意を反映させる貴重な機会ですが、今回のような事が起こると、民意を反映させる機能を十分に果たすことができなくなってしまいますよね、というようなことをお話しました。
基本的なところから
その後は、NHK選挙Webにアップされている、各党党首の演説で使われた言葉を視覚化した画像を使いながら、それぞれの党がアピールしているポイントを確認したり、
朝日新聞と東大谷口研究室が共同して行った候補者アンケートをもとに、各党の公約内容を政策別に比較したり、
投票マッチングサイトをいくつか紹介したりして、
自民党が掲げている憲法改正4項目のそれぞれについて、必要性や相当性があるかということを検討しました。
ランチしながら懇談
終了後は、ランチをしながら懇談。
各選挙区の細かい事情をいろいろとお聞きして、私も勉強になりました。
また、スマホやネットでちらっと見た情報をもとに、なんとなくの雰囲気で判断してしまう傾向が強まっていることも話題になりました。自戒も込めてですが、立ち止まってよく考えるということをあまりしなくなったことが、フェイクニュースや誤った情報が流通してしまうことの背景にあるように感じます。そして憲法カフェは、「立ち止まってよく考えてみる」よい機会になると思います。
このままいくと、来年の通常国会の会期末(6月末)で憲法改正が発議され、来年中に国民投票が実施される可能性も十分にあります。各地の仲間とも協力しながら、これまで以上に憲法カフェをやっていきたいと思っています。