5年連続5回目
11月12日(水)、上越市立直江津中学校の2年生向けに、薬害教育の特別授業をしてきました。直江津中学校では、5年前から毎年薬害教育の授業の時間をいただいており、今回が5回目ということになります。
今回一緒に行ってくださったのは、静岡在住の神谷房子さんです。
授業の目標
昨年度に引き続き今回も、「人権講演会」という枠で2コマ分の時間をいただけたので、被害者の方のお話を聞いたうえで、①薬との付き合い方を考える、②差別をなくすためにどんなことができるかを考える、という2つを授業の目標に設定しました。

授業の流れ
授業の流れは以下のとおり。最初に、前提知識について私から説明し、被害者の方のお話を聞いてもらい、その後に2つの目標について考えるという構成です。

神谷さんのお話
神谷さんは、第2子出産の際に、胎盤早期剥離が原因で大量に出血し、帝王切開の緊急手術を受けました。赤ちゃんは助からなかったこと、子宮や卵巣も摘出されたこと、退院後しばらくして急性症状がでて再入院することになったことなどを、当時の心情を交えながらお話されました。
それから20年近く経って、テレビのニュースをきっかけに病院に問い合わせたが冷たい対応を受けたこと、裁判で基本合意が成立した後に問い合わせた際には打って変わったように丁寧な対応だったことなどを、語りました。
その後、激しい副作用に耐えながらインターフェロン治療を受けたもののウイルスは消えなかったこと、少量長期投与に切り替えて治療を続け、5年後にようやく著効となったことなどを語りました。
最後に、①肝炎ウイルス検査を受けてほしい、②薬害について知ってほしい、③偏見・差別をなくしていきたいという3つのことを訴えました。
生徒さん達は、時折メモを取りながら、真剣な表情で聞き入っていました。特に、出産のときのお話や、たった5gの薬で人生が大きく変えられてしまったというお話が心に響いているように感じました。
薬との付き合い方
「薬との付き合い方」のところでは、私から、過去の薬害事件や副作用被害に加えて、オーバードーズについても説明しました。

差別をなくすためにできること
「差別をなくすためにできること」では、スライドを示しながら、以下のようなことをお話しました。

差別のもっとも大きな要因は偏見にある。偏見は多くの場合無知から生まれる。だから正しく知ること、知ろうとすることが重要。ただ、偏見は自分では気づかないことも多い。自分の偏見に気づけるようにすること、指摘されたらきちんと受け止め、偏見を解消していくことが大切。
また、不安感や恐怖心が差別の原因となることもある。不安や恐れは本能に基づくものなのでそれ自体を無くすことはできないが、それらを差別につなげないようにすることはできる。
差別をしないためには、いろいろな力が必要で、「差別をしないようにしよう」と思っているだけでは、差別を防ぐことはできない。差別をしないというのは、実は結構難しいこと。それでも差別をしないために、差別をなくしていくために、いろいろな力を身につけて欲しい。
報道
新潟日報の方が取材に来てくれていました。記事が掲載されたら追記したいと思います。