ACT新潟
6月26日、オンラインで国民投票法に関する憲法カフェをしました。
オファーしてくれたのは、「ACT(Active Constitutional Team)新潟」のみなさん。「市民と政治をつなげる」ことを目指して活動する20~40代のメンバーで構成されるグループで、国会議員とのオンライン交流会、フラワーデモへの参加、災害支援の募金活動等、政治や社会の様々な問題について学びつつ行動しているようです。
メンバーの中に、以前私が講師を務めた憲法カフェに参加したことのある方が複数いて、「国民投票法が改正されたことをどのように捉えたらよいのか、田中弁護士にいろいろ聞いてみたい」ということになったようです。
綿密な事前協議
いろいろ立て込んでいたため無理を言って1時間限定でお願いし、準備時間もあまり取れないのでオープンな企画ではなく内部のメンバー向けにしてもらいました。
1時間しかないこともあり、当日の内容や形式について、主催者の方との事前協議を綿密に行いました。事前協議をすることで、講師の側は、参加者や主催者の問題意識や興味・関心の所在、理解度などがわかり、よりニーズにあった内容のお話を提供できるようになります。また主催者側は、関心や期待がより高まったり、問題意識がより明確になったりすることもあります。毎回毎回細かい協議や内容のすり合わせができるわけではありませんが、やはり事前協議は大切だなと今回改めて感じました。
Q&A形式で
限られた時間を有効に使うために、参加者が聞きたいことを事前に出してもらい、Q&A形式で答えていく形にしました。
今回は新たなインプットをする時間もなく、新しいパワーポイントをつくる時間もなかったため、これまでに作ってあったいくつかのパワーポイントからつまみ食い的に抜き出したものをミックスする形で対応することにしました。
お話しした内容
冒頭で、主催者の方が、改正された国民投票法の内容等について、説明をしてくれました。落ち着いた聞きやすい声で、ポイントを的確に押さえた説明だったので感心しました。
私が事前にいただいていた質問は以下の5つです。1時間枠のうちこの質問に対する回答に充てられる時間は40分。ということで、何をどこまで話すかの選択が結構悩ましかったです。
- 国民投票法が改正されると憲法を改正しやすくなるの?
- 立憲民主党がCM規制にこだわる理由は?修正案はCM規制以外にもあるの?
- 立憲民主党と、共産党や社民党とで、賛成・反対が分かれたのはどうして?
- 衆議院を通った段階でもう成立が決まったかのような報道がされていたのはなぜ?
- 自民党が考えている憲法改正ってそんなにヤバいの?
また、アクションリストについても話してほしいという要望があったため、作成の経緯やそれに込めた思いなどを交えつつ、内容を説明しました。参加者のみなさんは、頷いたり、驚いたり、笑ったりしながら説明を聞いてくれていました。この部分の反応が一番よかったように思います。
今回も時間が足りなくなってしまい、最後はかなり駆け足になってしまいました。また事前の質問事項とは別に当日その場で出される質問にもお答えする予定だったのですが、そのための時間は取れませんでした。お詫びしつつ、質問を送ってくれれば責任をもって回答を送りますとお約束して憲法カフェを終えました。
後日、以下のような感想が寄せられました。
- 「付則には付帯決議と違って法的な拘束力があることを初めて知った」
- 「法案が3年前に国会に提出されていたこと自体知らなかった」
- 「CM規制と最低投票率についてもっとお話を聞きたかった」
- 「9条改正で自衛隊が憲法に明記されると、憲法が自衛隊のブレーキからアクセルに代わってしまうという話が印象に残った」
- 「やわらかく、わかりやすく伝える力がすごいなと思った」
今後も
自分よりかなり若い世代の方向けに憲法カフェをしたのは久しぶりでした。関心が高く、積極的に様々な行動もしているみなさんということもあり、私の方が刺激や活力をもらった感じです。
また、完全なオンライン形式での憲法カフェは初めてでしたが、大きな混乱なく実施することができました。移動や準備にかかる負担の大部分を省くことができるので、かなり楽に感じました。特に直前まで別の用事に時間をあてることができるのはありがたいですね。講演の予定が立て込んでくると、事前の準備はもちろん、講演の日程調整自体が難しくなってきますが、オンラインであれば拘束時間が短くなる分、日程調整しやすくなると思います。引き続きできる限りご要望に応えられるようにしていきたいと思います。