「本来あるべき民主主義の手法とは異なる」


いちいち指摘するのも馬鹿らしいくらいですが、与党が何をしたのかよく覚えておきましょう。

1 強行につぐ強行

国家安全保障特別委員会の開催、地方公聴会の開催、総理出席の質疑等、審議日程はすべて与党が一方的に決定しました。委員会での採決時も、動議の声も委員長の声も聞こえないまま与党の議員が起立しただけ。速記録には「議場騒然、聴取不能」と記載されています。

強引な国会運営は、この法案・この委員会だけではありません。
内閣委員会では国家戦略特区法案を採決するために、また経済産業委員会では独占禁止法改定案を採決するために、数にものを言わせて民主党の委員長を解任し、自民党の議員に首をすげかえました。与党が野党の委員長を解任したのは国会史上初めてのことです。

2 慎重審議を求める国民の声を無視して

各種世論調査で国民の8割が「慎重審議」を求めていましたが、、、

衆議院ではわずか44時間の国会審議で採決されました。しかも、その大半は形だけの国会審議。
これと並行して一部の野党と協議して変更した「修正案」を採決の2時間前に提出。
つまり、衆議院で採決された「修正案」の審議はわずか2時間だけでした。

参議院での審議は、衆議院よりさらに短い20時間程度。
衆議院にだした「修正案」からさらに変更した「修正案」を採決の直前に提出。
これについてはほとんど審議されることなく強行「採決」されました。

3 自民党に「多数」を与えた結果がこれ

「ねじれ解消」の行き着く先は、こんな無法を数の力で通す国会でした。
「本来あるべき民主主義の手法とは異なる」。石破自民党幹事長が法案に反対するデモに対して向けた言葉は、皮肉にも自分たちがやっていることを端的に表現しています。