つれづれ語り(憲法施行70年)


「上越よみうり」で連載中のコラム「田中弁護士のつれづれ語り」。
5月10日付朝刊に掲載された第9回では、憲法について語っています。

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節目の年に憲法を考える

実は世界最高齢
今年で御年70歳、現役のなかでは世界最高齢。そう、日本国憲法のことです。シカゴ大学が中心となって行った「比較憲法典プロジェクト」で確認されました。
「長寿」の原因について、東京大学のマッケルウェイン准教授は、①人権規定が充実しており、新たな人権条項を追加する必要性が少なかったこと、②統治機構について「法律で定める」とする規定が多く、憲法を変えなくても柔軟に対応できる構造になっていること等を挙げています。
実際、他国の憲法改正は、既に日本国憲法に書き込まれている人権規定を新たに追加するものや、統治機構に関わる技術的な事項を変更するものが大半を占めています。

「当たり前」
今の日本では、読みたい新聞を自由に読むことができますし、本欄のようなコラムを書くことも自由にできます。また、選挙でどの政党に投票しても不利益に扱われることはありません。このような自由や平等は、私たちにとって「当たり前」のことです。
しかし、この国でも、わずか七十数年前には、こうした自由や平等は「当たり前」ではありませんでした。政府を批判しただけで逮捕されたり、新聞が発禁処分になったりしましたし、特定の政党や団体に所属すること自体を処罰対象とする法律もありました。
当時と今とでもっとも違うのは、日本国憲法の存在です。今の私たちにとって、自由や平等が「当たり前」になっているのは、日本国憲法がそれらを保障しているからです。水や空気と同じ様に普段はその存在を意識していなくても、なくなると途端に生きていくことが困難になってしまう。それが憲法です。
憲法施行70年。この機会に、私たちの生活を支え続けてくれている憲法について、みなさんも一緒に考えてみませんか。役立ちそうなイベントなどをいくつかご紹介します。

まずは知憲
私も所属している「明日の自由を守る若手弁護士の会」では、まずは憲法のことを知りましょう(知憲)と呼びかけています。
その取り組みの1つが、「やや日めくり憲法」です。若手弁護士達が、その時々で話題になっているニュースなどと絡めて、憲法の条文についてとっつきやすい言葉で語っています。こちらのブログをチェックしてみてください。

無題

わくわく憲法フェスタ
新潟県弁護士会は、5月28日(日)11時から17時まで、新潟市の万代シティパークで、「わくわく憲法フェスタ」を開催します。
憲法に関するトークやクイズ、パネル展示のほかに、バンドによるライブ、フリーマーケット、ミニ子ども広場などもあり、小さなお子様連れでも楽しめるイベントです。

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憲法ポスター展
日本弁護士連合会では、「憲法ポスター展」の作品を募集しています。

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応募資格などはなく、どなたでもご応募いただけます(8月31日締切)。
審査員は、直木賞作家の中島京子さんや、絵本作家の長谷川義史さんなど。小学生以下、中学生・高校生、大学生・社会人の3つの部門ごとに、金賞、銀賞、銅賞各1作、入選5作を選出。入賞者には図書カードと副賞が贈呈されます。
詳しくはこちらのサイトをご覧いただくか、日本弁護士連合会人権第二課(電話03-3508-9507)までお問い合わせください。