「2018じょうえつ平和のための戦争展」ミニ・シンポジウム


パネリストとして

10月13日(日),上越市民プラザで開催された「じょうえつ平和のための戦争展」のミニ・シンポジウム『若い世代と考える戦争と平和』にパネリストとしてお招きいただきました。

20代,30代,40代

私のほかにパネリストとして招かれたのは,東京で大学生をしている馬場ゆきのさんと,上越では「八百屋の土田」として有名な八百屋店主の土田竜吾さんでした。

私はこの2日前に40歳の誕生日を迎えたばかりで,土田さんも先日30歳の誕生日を迎えたばかりということでしたので,うまい具合に20代,30代,40代が揃ってのパネルディスカッションとなりました。

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率直な思いを

今回のオファーは「戦争と平和について若い世代の率直な思いを聞きたい」とのことでしたので,私からは,「普段は家事・育児と仕事の両立で忙しく,正直なところ常に高い関心を持ち続けていられるわけではない」という率直な実情をまずお伝えしました。

その上で,安倍首相が憲法9条を変える理由として「全ての自衛隊員が強い誇りを持って任務を全うできる環境を整えるのは、今を生きる政治家の責任だ。」と言っている点について,「自衛隊員に危険な任務を課す上で『誇り』を持ち出しているのは危険な徴候ではないか。実際に犠牲が出たら『名誉』を持ち出すようになると思う。国のために自ら犠牲となることを『名誉』や『誇り』で表現する指導者には警戒が必要だと思う。いずれ国民にもその影響は及ぶのではないか。」という趣旨のお話をしました。

それぞれの感覚

馬場ゆきのさんからは,「『戦争』は開戦とともに始まるのではなく,その前(の社会の変化)から徐々に始まっているのではないか。後戻りできなくなる前から声を上げていかないと取り返しのつかないことになると思う。」,「若い世代はさまざまに苦しい生活や不安の中で生きている。そこに寄り添って一緒に解決していく中でしか,若い世代に政治に関心を持ってもらうことはできないと思う。」という趣旨のお話がありました。

30代の土田さんは,先だっての沖縄県知事選の応援に携わった経験から,「デマやフェイクニュースが氾濫し,『正しい情報を得たい』と思ってもそれが難しいという状況が起きていた。」というお話や,米軍基地と共にある沖縄の生活のリアルな実情に触れて感じたことなどを語ってくれました。

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会場からは

会場からは,「どうすればもっと若者に関心をもってもらえるか」「こういう企画にもっと若者にも来てもらうにはどうすればいいか」という質問が多く,その点が主催者や参加された方々の一番の関心なのだろうと感じました。

なかなか難しい質問で,私にも「こうすればよい」という画期的なアイデアはありません。しかし,ここ最近,NPOなどのソーシャルセクターでLGBTや障害者スポーツ,子どもの貧困などの社会課題に取り組んでいる若い世代が増えてきているということ,そういう若い世代は「問題提起」よりも「解決策の提示&実行のプロセス」を重視していて,総じて「未来志向」であることなどをお伝えし,そこから学べるものはあるのではないかということをお伝えしました。

久々に人前で

このところ公私共に忙しく憲法カフェなどの講師業からは遠ざかっていたため,大勢の方たちの前で話をするのは久しぶりでした。当日までは少し緊張していましたが,年下のお2人の話を聞いて刺激を受けたためか,途中から「あれも話したい,これも話したい」と自分からマイクを要求する事態に(笑)。少々しゃべりすぎたかな?と反省していましたが,参加者の方からは「とても分かりやすかった。」「さすが話のプロですね。」などと温かい言葉をかけていただきホッとしました。「たまには」人前で話すのもいいなと改めて感じた1日でした。

田中篤子