つれづれ語り(AIのリスクと憲法の役割)


『上越よみうり』に連載中のコラム、「田中弁護士のつれづれ語り」。

2019年11月13日付に掲載された第71回は、「AIのリスクと憲法の役割」です。先日、新潟大学で開催された山本龍彦教授の講演会に参加して考えたことなどがまとめられています。

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AIのリスクと憲法の役割

おかげさまで

このたび本コラムが電子書籍化されました。上越タウンジャーナルでも大々的に宣伝していただき,周りの方々からも沢山の反響がありました。とても嬉しいです。その直後のコラムで若干緊張気味ですが,肩の力を抜き,これからも書きたいことを率直に書いていきたいと思います。

「AIと憲法」講演会を終えて

さて,先日,本コラムでもご案内していた山本龍彦慶應義塾大学教授による憲法講演会「AIのリスクと個人の尊重~新しい憲法論~」(主催新潟県弁護士会)が開催されました。老若男女,理系文系と様々な方々にお越しいただき,とても有意義な講演会となりました。なんといっても山本教授のお話がテンポ良く,刺激的で,示唆に富んでいて,「こういった深刻なテーマでおもしろいという感想はどうかとも思うが,正直とてもおもしろかったです。」という感想が参加者から出たほどでした。個人的には,新潟大学の21歳の学生さんから,「図書館で山本先生のご著書『AIと憲法』を手に取り,すぐに引き込まれて読みふけったので,新潟で講演会があると知って興奮した。」と言ってもらえたのが嬉しかったです。若い人たちにこそ聞いてもらいたいと,新潟大学との共催で,新潟大学内で開催した甲斐がありました。

会場って大事です

余談ですが,今回会場となった新潟大学中央図書館のライブラリーホールなのですが,赤を基調としたセンスの良い内装と階段状の客席から見下ろす形で設置されたステージのデザインが相まって,「TED」カンファレンス(ご存じでない方は検索してみてください)のような雰囲気で,とてもいいなと思いました。講演会の企画ではいつも会場探しに悩むのですが,こんないい場所があったのかと感動しました。上越で公会堂などをリニューアルする折りには,ぜひ参考にしていただきたいです。

AI時代に求められる憲法議論とは

肝心の講演会の内容もお伝えしたいのですが,文字数の関係でとても伝えきれません。詳細は,事務所のHPに写真入りで掲載予定ですので,よろしければそちらも合わせてご覧いただけると幸いです。私がいちばん印象に残ったのは,AIによるプロファイリングの技術が,すでに現時点において,自分の予想を遙かに上回るほど高性能になっているということです。他人に知られたくないようなプライバシー情報がプロファイリング技術で明らかにされ,口には出さない内心の秘密まで暴かれる時代が,もう,すぐそこまで来ている(あるいはすでに来ている)のだと感じました。個人情報の「取得」には本人の同意が必要とされるなどの法規制がありますが,プロファイリングで暴くことについては法規制が手つかずの日本。恐ろしい監視社会が生まれることをどう防ぐのか,プライバシー権など憲法に基づくAIの利用規制に関する議論が今必須なのではないかと感じます。

 


 

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『上越よみうり』に連載中のコラム「田中弁護士のつれづれ語り」が電子書籍になりました。憲法に関わる問題についても何度か取り上げています。
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