秘密保護法を廃案にするためにできること*追記あり


1 強行採決

これまでこのブログでも何度か取り上げてきた秘密保護法案が、昨日、衆議院で強行採決されました。短期間に各界から次々と反対声明が出され、前日に福島で開かれた公聴会では7人全員が反対・慎重の意見を述べましたが、国会で圧倒的多数を占める与党にとっては、まったく関係のない出来事のようです。

しかし、まだ参議院での審議が残っています。この間に、世論を広げ、「このまま採択すると政権がもたない」「賛成すると次の選挙で落ちてしまうかもしれない」というプレッシャーを与えることが重要です。
安倍政権の支持率が急落したり、世論調査で法案に反対する人が9割以上となるような状況を作り出せば、廃案に追い込むことは可能です。

2 法案の問題点(おさらい)

この法案の問題点はたくさんありますが、大別すると以下の2つに分類できるかと思います。
①政権にとって都合の悪い情報を隠蔽するおそれが強いこと(民主主義の否定、知る権利の侵害)
②戦争を準備するための法整備の一環であること

①都合の悪い情報はすべて隠蔽
行政府の長が自由に秘密を指定できるので、政権にとって都合の悪い情報はすべて秘密にすることが可能です。これまでも、国民の生活に直結する重大な問題について密約が交わされていたことが明らかになっていますが、これにお墨付きが与えられることになります。

そして、これを調べようとした人は報道機関であっても処罰の対象となりますし、真実を伝えようとすれば公務員でも処罰対象となります。当然のことながら一般市民がこのようなことをしようとすればやはり処罰対象となるわけです。この結果、政権がこれまでに何をしてきたのか、これから何をしようとしているのかを正確に知ることができなくなります。

政府にとって都合のいい情報だけが流され、選挙の際にも私たちはその限られた情報をもとに判断・選択することしかできません。こうして、民主主義は成り立たなくなります。

②戦争をするための法整備
以前このブログにも書いたとおり、この法案はもともとアメリカの求めに応じて作られたものです。今国会で成立した「国家安全保障会議設置法」に、「国家安全保障基本法」を加えれば、集団的自衛権を行使するための法整備が完了します。

つまり、アメリカが戦争する際に、日本も一緒になって戦争に加わるための準備をしているわけです。アメリカが引き起こした戦争として真っ先に思い出されるのは、イラク戦争です。戦争の口実にしていた大量破壊兵器は存在せず、治安も泥沼化して、国内外の批判からアメリカも撤退方針をとらざるを得なくなりました。

もし、イラク戦争の時点で一連の法律ができあがっていれば、日本はイギリス等と同様に、イラク戦争の「中心的役割」を担い、自衛隊が直接現地の人を殺戮する事態となっていたことは間違いないでしょう。

法整備が完了した後は、アメリカが戦争を引き起こした場合には、いつこれに巻き込まれてもおかしくない状態となってしまいます。また、安倍政権の暴走ぶりはすさまじいので、自ら韓国や中国との間で武力衝突に踏み込んでいってしまう危険すら感じます。

3 世論を広げる

これらの問題点を念頭に置きながら、自分の言葉で反対する理由を発信し、世論を広げていきましょう。ツイッターやフェイスブック等は、短期間に世論を広げるうえで役立ちます。川柳をつくって秘密保護法に反対することを呼びかけるサイト等もあります。こういう工夫を凝らして発信していくことも大切ですね。

また、大手メディアへの働きかけも必要です。番組のホームページを通じて、報道内容についての感想をメールするだけでも意味があります。多くの人に知らせるうえでは、新聞や報道番組だけでなく、週刊誌やワイドショーなどでも取り上げてもらうことが重要ではないかと思います。

4 声を届ける

同時に、政権や政党・議員に直接声を届けることも必要です。電話、ファックス、メール、葉書など、手段はいろいろありますので、自分にできることからはじめていきましょう。

*12月4日追記

「秘密保護法 反対 できること」等の単語で検索してこのブログに辿りつき、ご覧いただいている方が結構いらっしゃるようですので、参議院の国家安全保障に関する特別委員会の委員について、ファックス番号リストを貼り付けておきます。ひな形などもありますが、なるべく自分の言葉で届けるのが効果的ではないかと思います。

委員長 中川雅治・自民東京 03-6551-0904
理 事 石川博崇・公明大阪 03-6551-0616
理 事 佐藤正久・自民比例 03-6551-0705
理 事 芝 博一・民主三重 03-6551-0317
理 事 島尻安伊子・自民沖縄 03-6551-0405
理 事 西田昌司・自民京都 03-3502-8897
理 事 福山哲郎・民主京都 03-6551-0808
委 員 井上哲士・共産比例 03-6551-0321
委 員 猪口邦子・自民千葉 03-6551-1105
委 員 岩井茂樹・自民静岡 03-6551-0520
委 員 宇都隆史・自民比例 03-6551-0516
委 員 江島 潔・自民山口 03-6551-1103
委 員 大野元裕・民主埼玉 03-6551-0618
委 員 小野次郎・みんな比例 03-6551-0620
委 員 神本美恵子・民主比例 03-3508-0010
委 員 北村経夫・自民比例 03-6551-1109
委 員 上月良祐・自民茨城 03-6551-0704
委 員 佐藤ゆかり・自民比例 03-6551-0309
委 員 田中直紀・民主新潟 03-6551-0306
委 員 中野正志・維新比例03-6551-0709
委 員 二之湯智・自民京都 03-6551-0921
委 員 仁比聡平・共産比例 03-6551-0815
委 員 白 眞勲・民主比例03-6551-1116
委 員 平木大作・公明比例 03-6551-0422
委 員 福島みずほ・社民比例 03-6551-1111
委 員 藤田幸久・民主茨城 03-6551-0914
委 員 松山政司・自民福岡 03-6551-1124
委 員 真山勇一・みんな比例 03-6551-0320
委 員 三宅伸吾・自民香川 03-6551-0604
委 員 矢倉 克夫・公明埼玉 03-6551-0401